くじら座の胸に赤く輝く「ミラ」。変光星と呼ばれる星で、周期的に明るくなったり暗くなったりします。今夜(14日)「ミラ」が極大を迎え、日が暮れると南の空に赤く光る様子が楽しめます。


くじら座ってどんな星座?

「くじら座」は秋を代表する星座ですが、この時期は日暮れ時に南の空に見え始めます。冬の星座「オリオン座」から右に視線を移していくと、そこに大きくドーンと広がるのが「くじら座」です。
「くじら座」と言っても、私たちが知っているあの「クジラ・鯨」とはかなり違います。ギリシャ神話の中で、生贄として差し出されたエチオピアのアンドロメダ姫を襲うため、海の神が差し向けた「お化けクジラ」がモチーフ。お化けくじらが、もう少しでアンドロメダ姫を食べてしまう!というその時、勇者ペルセウスが現れて、お化けくじらを石に変え、アンドロメダ姫を助けました。そしてお化けくじらを空にあげて、「くじら座」という星座にしたのでした・・・という物語です。
この「くじら座」の胸の部分に赤く輝くのが、変光星「ミラ」です。


変光星ってどんな星?

変光星とは、周期的に星の明るさが変わる恒星のこと。くじら座の「ミラ」は長周期変光星で、332日周期(およそ11カ月)という長い周期で明るさが変化します。もっとも暗い時は10.1等級で、肉眼ではほとんど見えませんが、もっとも明るくなると2.0等級にまでなることもあり、街中でも肉眼ではっきりと見ることができます。「ミラ」という言葉には「不思議な」という意味があります。昔の人たちは、明るくなったり暗くなったりする星を、ずいぶん奇妙で不思議な星だなぁと思って見上げていたのかもしれませんね。くじら座の「ミラ」は今夜(14日)極大の頃を迎え、今回は3.0等級くらいまで明るくなるとのこと。日暮れ時になると、南の空に赤く輝く星を肉眼でも見つけることができますよ。


今夜の天気はどうなる?

冬型の気圧配置が緩み、本州付近は移動性の高気圧に覆われてきています。日本海側の雪も次第にやんで、天気が回復する見込みです。日が暮れる頃には晴れる所が多くなり、久しぶりの星空に「くじら座」の姿を見ることができるでしょう。太平洋側は朝からスッキリと晴れた所が多くなりました。夜もこのまま晴天が続き、南の空に赤く輝く「ミラ」を観察できそうです。ただ、あすの朝にかけて、全国にあるアメダスの8割以上で、氷点下の冷え込みとなる予想。「くじら座」が姿を現す日暮れの頃にはぐっと気温が下がりますので、風邪をひかないように暖かい服装で観察しましょう。