東京メトロは2017年12月10日、丸ノ内線の中野車両基地(東京都中野区)の一般公開イベントを開き、15倍超の高倍率から選ばれた約180人が参加した。

17年11月には20年ぶりにアルゼンチンから「里帰り」した「500形」が修復されて報道陣にお披露目されたばかりで、丸ノ内線と銀座線の新旧車両、計4車種が初めて「そろい踏み」する形で公開された。

銀座線1000系、40編成中2編成が「特別仕様車」

東京メトロの車両基地公開イベントで公開されるのは千代田線の綾瀬車両基地(東京都足立区)が多く、中野基地は珍しい。丸ノ内線と銀座線は電車の屋根のパンタグラフではなく、「3本目のレール」から電気を取る「第三軌条」と呼ばれる方式で、見学者を安全に誘導するために手間がかかるためだ。丸ノ内・銀座の両路線は赤坂見附駅付近でつながっており、銀座線の車両は丸ノ内線を通って中野で整備を受ける。

今回公開された車両は、1957年から96年まで活躍した丸ノ内線「500形」、1988年から運行されている現行の同「02系」、1983年にデビューし、2017年3月に引退したばかりの銀座線「01系」、17年1月から運行されている同「1000系特別仕様車」の4種類。

現行の銀座線1000系自体は12年から運行されているが、全40編成のうち2編成が、1927年に上野―浅草間が開業した際に走っていた「1000形」をモチーフに内装や外装を装飾した「特別仕様車」として走っている。車両銘板に右から「平成貳拾玖年」(平成29=2017年)と書かれていることを係員から説明されると、参加者は「こう書くんですね、知らなかった」と驚きの声をあげていた。

丸ノ内線500形は3両が公開され、それぞれ1958年に登場時「初期仕様」、96年にアルゼンチンに渡る直前の「引退時仕様」、「アルゼンチン仕様」を再現。「引退時仕様」車内の路線図に西新宿駅や南北線が含まれていないことに気づく人も多かった。