美容や健康を意識する人で、お昼や夜食をカップ麺などのインスタント食品で済ます人は少ないはず。「あなたはどうしてカップ麺を食べないのですか?」そう聞いたら多くの人は「体に悪そう」、「健康に良くなさそうだから」と答えるでしょう。でもチキンラーメン開発者である安藤百福氏は、毎日チキンラーメンを食べ続けても、96歳で亡くなる3日前にも趣味のゴルフをする!という長寿と健康を実現していました。安藤氏の長寿の秘訣から考える、何を食べるかよりも大切にしたいこととは?

安藤百福氏っていったいどんな人?

安藤百福氏は1910年生まれ。日本で「チキンラーメン」と「カップヌードル」を開発し、後に世界的に普及したインスタントラーメン産業の創始者となった人物です。1958年にチキンラーメンを発明した時、安藤氏は48歳。開発までは丸一年休みなく、一日平均4時間という睡眠時間の中で研究を続けてきたと言われています。さらに61歳でカップヌードルの開発。91歳のとき、日清食品は宇宙食の開発に乗り出すなど、晩年まで製品開発への意欲は衰えることを知りませんでした。

長寿の秘訣は毎日のチキンラーメン?!

安藤氏は、インスタントラーメンが体に悪いというイメージを払拭するため、48歳でチキンラーメンを発売してから96歳で亡くなるまで、365日毎日欠かさず昼食にチキンラーメンを食べ続けていたとされています。健康の秘訣を聞かれると「週2回のゴルフと毎日お昼に欠かさず食べるチキンラーメン」と答えていたそうです。また小食であることも心掛けていたそう。確かに小食や適度な運動習慣は、肥満や生活習慣病を予防してくれます。チキンラーメンは主に炭水化物なので単体では栄養バランスが偏りますが、一日トータルで他の食品もバランスよく摂れていれば大きな問題はないのかもしれません。でも、安藤氏が健康で長生きできたのは、それだけが理由でしょうか?

「何を食べるか」より「どんな人生を送りたいか」

小食と適度な運動、そしてチキンラーメンを食べ続けることで、誰もが安藤氏のように健康で長生きできるわけではないしょう。安藤氏は思いついたアイデアを形にするべく、強い情熱と意思を持って人生を送ってきました。それには健康は大前提であっても、健康だけが目的ではありません。どんな生活、どんな人生を送りたいか。特に食の安全への意識が高まる今、安全安心な食品を食べることにこだわりすぎるあまり、そうすることでなりたかった自分を私たちは見失わないようにしなければいけません。安藤さんは生前、「即席麺の開発に成功した時、私は48歳になっていた。遅い出発とよく言われるが、人生に遅すぎるということはない。50歳でも60歳からでも新しい出発はある」という言葉を残しました。何歳になっても生きがいや目的をもって意欲的に人生をまっとうする、そんな姿勢こそが健康で長生きできる秘訣なのかもしれません。


writer:サプリ編集部