安倍晋三首相のTwitterに「喜び組」が出現したと話題になっている。

 安倍首相は常々、本人名義のTwitterやフェイスブックのほか、首相官邸のTwitterアカウントなどで動向を報告している。それらの投稿に対して、普段はフォロワーたちがリプライ欄を使って政治論議を繰り広げるのが日常の光景。だが、2月10日に首相官邸のアカウントが大宰府から持ってこられた梅の花と一緒に写っている安倍首相の写真をアップしたところ異変が起こった。

安倍首相を褒めたたえる謎の美女軍団

 複数の美女アイコンのフォロワーたちが、

「安倍晋三内閣総理大臣の御姿がとても素敵です」
「安倍晋三内閣総理大臣は私達の誇りです。凛々しいお姿に、心も和らぎます」
「安倍晋三内閣総理大臣の最も相応しき その御姿に日本の誇りを感じます」

 などと一斉に賛辞を送り始めたのだ。



 安倍首相のアカウントが13日に自民党の新しいポスターの画像を掲載した際にも、この“美女”たちは、「安倍晋三内閣総理大臣のお姿がとても、勇ましく思います。感謝致します」「安倍晋三内閣総理大臣の強い思いが伝わるポスターですね。深く感謝致します」「日本のためにご活躍ありがとうございます。感謝致します。凛とした、真っ直ぐな姿が大好きです」などとコメントを送っている。

 これらのアカウントは若くて美しい女性のアイコンばかりだが、なぜか一様にプリクラ画像のようなデカ目修正がされており、コメントの文面は別々ながら「感謝」といった言い回しが似通っている。

 これに対してネット上では「北朝鮮の喜び組みたいだ」「自民党が雇ったのでは」「ヤラセ感しかしない」「若者を取り込むための小細工なのか」などと疑惑を呼んでおり、熱狂的な“ネトウヨ”による仕業との見方も浮上。

 一方で、あまりに露骨で不自然さ全開のため「新手のホメ殺しでは」「ミエミエ工作で安倍さんの評判を落とすつもりか」などと、逆に“反自民”勢力による嫌がらせ説まで巻き起こっているようだ。

首相官邸がフォロワーを業者から買っている!?

 何かしらウラがありそうだが、これをきっかけに更なる疑惑も沸き上がっている。首相官邸のアカウントがフォロワー数の「水増し」をしているのではないかと騒がれているのだ。

 同アカウントは約38万人のフォロワーを抱えているが、そのユーザーの一覧を見てみると「卵アイコン」が目立つ。これはアイコンを初期設定にしたままの状態だが、ネット上にはフォロワーを販売している業者がおり、大量に作られる水増し用のアカウントは「卵アイコン」のままである場合が多いのだ。これらのユーザーたちのページを確認してみると、ほとんどツイートをしておらず、定期的に使っている形跡はあまり感じられない。

「実際に首相官邸アカウントがフォロワーを購入したのかは定かでありませんが、政治家や政党を相手にしたフォロワー販売などのネット対策業者がおり、それを利用している政治家が少なからず存在するのは事実ですね」(IT関係者)

 やはり政治の世界でフォロワー販売業者が暗躍しているのは間違いないということか。

「一昨年のネット選挙解禁によって、政治家や官僚はネット上でも『メンツ』や『人気』を気にするようになり、特に自民党はネット対策チームを設置するほど熱を入れている。党のイメージダウンにつながるような書き込みを監視するなど、本格的にネット世論のコントロールのために動いているはずです」(前同)

アカウント1万人分で“相場”は3〜5万円

 フォロワー業者の価格設定は「外国人アカウント」「日本人アカウント」など種類によって値段は変わるが、水増しとバレにくい「高品質日本人アカウント」であっても1万人あたり3〜5万円ほど。

 最近、某アイドルのアカウントが2日で3万人以上も急激にフォロワーが増えたことで「水増しがバレバレ」と失笑を買ったが、怪しまれないために徐々にフォロワーを加算していくプランもある。もし政治家や政党が水増しに手を出していてもパッと見は分かりにくいというわけだ。

 その一方、野党第一党である民主党の岡田克也代表も13日にTwitterを開始した。だが、数日が経過してもフォロワーは4000人をやっと超えたほどしかおらず、その極端な不人気ぶりがあらわになっている。ここまで寂しいと、逆に「もっと業者から買った方がいいのでは……」と心配になるところだ。

 果たして、安倍首相を褒めまくる「喜び組」の正体は一体なんなのか、首相官邸アカウントがフォロワー水増しという姑息な手段を用いているのか。コトの真相はどうあれ、政治的にもネットが重要な位置を占めるようになったことのあらわれであることは間違いないといえるだろう。

(取材・文/佐藤勇馬)

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