ミランの本田圭佑が好調だ。ここまで3ゴールを上げ、監督からの信頼も得ている。イタリアメディアは開幕前の批判の嵐から、一転して褒め称えている。悪ければ叩く、良ければ褒める、という至極単純で当たり前のスタンスだ。選手もチームもメディアも、いやサッカーそのものが生ものだということだね。

日本人的には手のひら返しということになるのだけど、僕はそうは思わない。それでもコンスタントに結果を残し続ける選手が存在するのだ。例えばクリスティアーノ・ロナウドであり、ネイマールは、毎試合毎試合そうしたプレッシャーにさらされながら、やはりゴールを決める。これがスーパースターであり、ビッグクラブの選手ということだ。

それは厳しすぎる世界なのか、それとも日本が優しすぎるのか。重要なのは、どちらのほうが選手が、そしてサッカー文化が成長するのかだ。そこをよく考えていきたいね。
 
さて、約5年間にわたってライブドアで連載させてもらった本コラムは、これで最終回となる。2010年の南アフリカW杯の前からスタートしたコラムだが、あの当時と比べて、日本サッカーは成長しただろうか。日本代表そのもののみならず、協会組織のスタンス、Jリーグの体質、リーグのレベル、グラスルーツ、部活のあり方、スポーツに対する国民の意識……。僕は一貫して提言してきたつもりだ。すべては日本にもっとサッカーが、スポーツが文化として根付き、世界の強豪と肩を並べてほしいからだ。
 
ブラジルW杯での日本の戦いぶりを見て、みんなはどう思っただろうか。ただ負けたのではなく、世界に大きく水を開けられている現実をどう感じたか。本当に優勝するためには何が必要なのか。

これからも僕は考え続けていくし、提言していくつもりだ。皆さんも、日本サッカーが真の文化となるために、僕と一緒に考え続けていきましょう。長い間ご愛読ありがとうございました。