香港メディアの鳳凰網はこのほど、遼寧省営口市にある50平方キロメートルにわたる「鬼城(ゴーストタウン)」での実地調査を行い、「建設が止まったままの高層マンションが林立している様はまるで墓場のように静かだった」と伝えた。

 記事は、営口市のゴーストタウンについて「4年間にわたって続いた建設ラッシュはすでに見る影もない」とし、40棟以上の高層マンションが買い手の登場を待っているほか、建設が止まったままのマンションも複数存在し、未開発のままとなっている土地も9000万平方メートルに達すると伝えた。

 域内総生産の増加幅において、遼寧省で6年連続の1位を記録した営口市だが、記事は路線バスの運転手の話として「営口市にゴーストタウンが3つあることは現地の人間だったら誰でも知っている」と伝えた。

 営口市にあるゴーストタウンの1つである「沿海基地」には沿海家園という高層マンションがある。

 沿海家園の販売が開始されたのは4年前のことだが、「建築面積が約9万平方メートルに達する沿海家園の物件はほとんど売れ残っている」と紹介、さらに不動産販売企業につながるはずの電話番号はすでにつながらず、「50センチメートルほどに伸びた雑草のなかに販売開始時の賑やかな光景の痕跡が見えたような気がした」などと報じた。

 営口市は2010年、域内総生産と財政予算を3倍にし、常住人口を80万人増やすという5カ年計画を打ち出し、こうした計画のもとでインフラ建設や都市の拡張計画を推し進めていった。記事は営口市の公式統計を引用し、10年から11年にかけて同市が約1億平方メートルもの土地を売りに出し、うち7381万平方メートルが成約に至ったと紹介。

 続けて着工面積が1212万平方メートルに達し、同数字は営口市と同じく海に面した都市である山東省日照市の12.8倍に当たる規模であったことを伝えた。

 しかし、営口市の不動産開発ブームは2012年に突如として終わりを迎えた。営口市政府が売りに出した土地の成約面積は前年の4分の1の水準にまで落ち込み、13年8月にはさらに前年同月比で30%も落ち込んだ。

 記事は「沿海家園」のように買い手がつかないマンションは、「沿海基地のいたるところに存在する」と伝え、さらにもう1つのゴーストタウン「東営」においては未完成のまま放置されているマンションが数多く存在すると紹介した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)