4月下旬の平日、今までなら「アルタ」で過ごしていた時間帯に、黒縁めがね姿のタモリ(68)が下校中の小学生にまじって闊歩していた。サングラスをかけていないタモリに気づく者はいなかった――。

 当人の静けさとは裏腹に、世間は騒がしい。全8054回の平均視聴率11.5%を誇った『笑っていいとも!』の後番組『バイキング』は視聴率2.7%と、32年ぶりのワースト記録更新という大惨敗。タモリを見られなくなった喪失感を表す“タモロス”なる造語まで誕生した。

「正直、迷走している。予算削減のため、まずはロケを減らす。『夏休みが勝負』といわれている」(番組関係者)

『いいとも!』最終回放送直後に、フジ・亀山千広社長は《また近い将来フジテレビの画面から、「いいとも」がそうだったように、放送から新たな「文化」を作っていただきたいと思います。お待ちしています》とのコメントを発表。『いいとも!』を終了させた張本人が、タモリの新番組制作を明言したのだ。

「通常、10月開始であれば、司会者や番組の方向性はGW明けには決まる。まずは特番を軸に策を練っている。2年前の正月に出演した『トリビアの泉』の2時間半特番では300万円ほどだったが、いま、2時間特番でも400万円までは上がるだろう」(フジ関係者)

 タモリの起用についてフジテレビ広報部に問い合わせると、「いまの段階でお話しできることは、ございません」と肯定も否定もしなかった。『いいとも!』終了後は、レギュラーの『ミュージックステーション』と『タモリ倶楽部』(ともにテレビ朝日系)に出演するのみ。視聴率低迷に喘ぐフジは“セミリタイア”生活を謳歌するタモリに、再びすがるしか方策はないようだ――。

(週刊FLASH 5月13・20日号)