最近、FacebookやTwitterなどのSNSで写真や動画の投稿を目にすることは日常茶飯事となった。スマートフォンやスマートフォン対応の無線機能搭載デジタルカメラの普及で簡単に写真をSNSにアップできることもあり、気軽に写真付きの投稿がおこなわれている。

食べ物や旅行先、イベントなどの写真に紛れて子どもの写真投稿は意外に多くなっている。「子どもが生まれました」「立てるようになりました」……そんな我が子のかわいい一瞬が撮れたら、つい周りの人にも見せたくなるだろう。

しかし、ちょっと待って欲しい。投稿先のSNSはインターネットの窓口で、その先は全世界に開かれているのだ。そこには大きな危険が潜んでいるのである。

●友達や知り合いにしか公開していないから大丈夫の勘違い
投稿の公開先を「友達のみ」にしているから「安心」、「大丈夫」などと思うのは大きな間違いだ。

たとえばその友達が、自分が知らない友達の知り合いに投稿をシェアしてしまったら、他人に自分の子どもの写真が渡ることになる。そしてまたその友達が……というように、自分の知らないところで拡散してしまう可能性もある。
そのほかにも、SNSで知り合った友達や知り合いが本人である確証も完全には確認できないほか、自分のアカウントが乗っ取られてしまう場合だってある。

基本的に、インターネット上にアップしたものは、公衆の中で情報をさらしていることと同じで、“絶対秘密”にはしておけないものだと認識しておいた方がいいだろう。

●子どもの写真の流出、写真データもつ危険性とは何か?
では、子ども写真の流出は、なぜ。危険なのだろうか。

まず、幼児や子どもの写真を愛好する悪意ある人により、興味本位に扱われる恐れがある。またコラージュなど加工され、悪意を持って配布される可能性だってある。

特に危険なのが、写真から場所を特定されてしまう危険性だ。これには、投稿の内容や写真の風景から分かる場合もあるが、位置情報を有効にしていると、投稿した時点で場所を特定されてしまう。

さらに怖いのが、写真データに記録されている情報だ。実は、デジタルカメラやスマートフォンで撮影した画像には、Exif情報と呼ばれるさまざまな情報が記録されている。その中には位置情報のGPS情報も含まれているのだ。
このことを知っている人は意外と少なく、このGPS情報を含んだままの写真がアップされていれば、場所を突き止めることも可能となる。


写真データに含まれるExif情報


まったく知らない人が、自分の「子どもの顔」と「場所」、実名でなくとも普段使っている「呼び名」を知っていたとしたら、どうだろう? 

子どもに、「知らない人にはついて行ってはいけない」と教えていたとしても、自分の名前を呼ばれれば、親の知り合いなのかなと思ってしまうこともあるのではないだろうか。

このように、かわいい我が子を見てもらいたいという軽い気持ちで載せた「写真データ」には、子どもを危険な目に遭わせてしまう可能性があるということを理解してほしい。


●危険を回避して、安全に写真を投稿する方法とは?
子どもを危険な目に遭わせないために一番いいのは、一切情報をSNSに載せないことだ。とはいえ、やはりうれしいことは友達と分かち合いたいもの。ならば、せめて次のようなことに気をつけて欲しい。

・写真撮影でGPS情報を記録しないように設定する。
・アプリの位置情報はオフにする。
・モザイクをかけるなど、顔がはっきりするような写真は載せない。
・住んでいるところが特定されるような背景の写真や書き込みは避ける
・投稿時の子どもの名前は、普段使っている呼び名などは使用しない。

もちろんこれは、自分の子どもに限ったことではない。子どもの友達でも同じだ。一緒に写っている写真を安易に公開したり、その子の名前を公開したりすることは、自分の子どもだけなく、子どもの友達も危険にさらしてしまう可能性があるので絶対に避けるようにしよう。

SNSに投稿する際には、自分の子どもだけでなく、子どもたちみんなの安全を守るよう心がけるようにして欲しい。