オウム真理教事件の実行犯として特別手配され、約17年に及ぶ逃亡生活の末、'12年1月1日に逮捕監禁致死容疑で逮捕された元教団幹部・平田信被告(48)の裁判員裁判が1月16日に東京地裁で始まった。

 一連の凶悪事件が再び注目される中、危惧されるのはオウム真理教の“残党”の動向だ。教団は'07年、主流派である『アレフ』と、上祐史浩元幹部が設立した『ひかりの輪』に分裂。『アレフ』は外部からの接触を断ち、今回の裁判に関しても沈黙を守り続けているが、その裏では布教活動を継続し、新たな信者の勧誘にも積極的に動いているのだ。
 「公安調査庁によれば『アレフ』の国内信者数は、昨年6月時点で一昨年末より150人増え1450人。以前は横ばいの状態が続いていましたが、ここへきて学生などの若者を中心に着実に信者数を増やしています」(全国紙社会部記者)

 その勧誘方法は、SNSや大学の偽装サークル活動が主とみられていたが、それは一部に過ぎないとの話も聞こえてきた。
 事情を知る40代の元オウム信者が次のように語る。
 「SNSや学内サークルもやっていますが、必ず何らかの監視下に置かれるし、あまり効率的とはいえない。それより彼らが力を入れているのは、街頭でのキャッチ。宗教や超能力に興味がありそうな人の一本釣りです。大きな書店に出向き、そういった関係(宗教・神秘・心理学)の本を立ち読みしている若者にそっと声をかける。その役を女性がやれば、ヒット率はさらに上がります」

 これは、オウム真理教時代も盛んに行われていた手法だという。時代は変わっても、ネットを介したSNS以上に草の根レベルの“逆ナン”が決め手というわけだ。
 「実は先日も某書店で、元オウムで今はアレフという人物が、スカウト要員と思われる女性を連れているのを見かけました。とにかく、思いがけず美女に『ヨガに興味があるんですね?』などと声を掛けられたら、疑う余地があるかもしれません」(同)

 オウムの血は脈々と受け継がれている。