19日のセリエA最終節でシエナを下し、チャンピオンズリーグ(CL)出場権を獲得したミラン。だが、そのお祝いは最悪の形で中断されることになった。シエナからミラノへ戻る際、フィレンツェの駅で、ミランとCL出場権を争っていたフィオレンティーナのウルトラス約30名から、シエナからフィレンツェに到着したミランのチームバスに抗議したのだ。

最初に彼らが叫んだのは、「お前たちは奪うことしか知らない」。だが、その抗議の声は、FWマリオ・バロテッリがチームバスから降りてくると、人種差別的なコールへと変わったのだ。『fiorentinanews.com』がこの一件の映像を伝えている。

選手たちは駅に入っていったが、フィオレンティーナウルトラスのチャントは収まるどころか激しさを増し、それは人種差別的な叫び声も同じだった。そして、FWロビーニョとバロテッリが、彼らと向き合うために歩みを戻す。ロビーニョはすぐに止められたが、バロテッリを抑えるには2、3人の警官が必要となり、なだめるためにチームメートや幹部たちも間に入った。

出発する前にも罵倒の声が浴びせられ、電車は約30分の遅延でフィレンツェの駅を後にした。そのすぐ後に、バロテッリはツイッターで「人種差別の“ブー”でピッチを去れば、オレはチームを10人にしてしまうというルール。頼むからこのルールを見直してくれ。人間的じゃない!」と怒りを爆発させている。

イタリア審判協会のマルチェッロ・ニッキ会長は先日、「誰にも自分の意見を言う自由がある。だが、ルールが存在するんだ。抗議の意味で、あるいは主審に告げずに、交代でもなくピッチを去れば、退場と考えられる」と話していた。