★珍蔵:
先々週だったか、欧州警察機構が欧州サッカーで八百長の疑いがある試合が2008〜2011年に680試合あり、選手や審判、関係者など15カ国の425人がそれに関与したと発表した。今月末には国際刑事警察機構とFIFAとの国際会議が開かれ八百長防止について話し合われるようだ。

FIFAのブラッター会長はそれについて「スポーツに不正行為は常に存在し、それを防止するのは無理だろう。」と断言し波紋を広げている。「我々はサッカー界に八百長がはびこっていることは承知している。そしてその背後にうごめく黒幕を突き止める事が非常に困難である事も分かっている。これは重大な危機だ。試合が不正に操作されれば、サッカーへの関心がなくなってしまう。」と懸念を表明した。

ブラッター会長の最初の発言通り、八百長防止に関しては、なかなか有効な対抗手段が無いのが現実だろう。マフィアが絡む場合、選手は脅されて八百長をやる場合が多く、特にオウンゴールを演出しやすいDFやGKなどが彼らのターゲットになる事が多い様だ。日本は近年、相撲が話題になったが、野球で八百長が話題になったのは遥か昔だな。最近は聞かなくなった。

■万吉:
しかし黒幕とか言っているが、八百長に犯罪組織が関与しているのはほぼ確実なのではないか。昔からイタリアなどは政府中枢にまでマフィアの手が及んでいると言われているし、「裏切り者には死を」の鉄の掟が厳然と存在しているはずだから、確かに全容解明などはほぼ不可能なのではなかろうかと思ってしまうな。

★珍蔵:
八百長というのはそれが賭博の対象となるが故に生ずる犯罪だ。賭博と言えば日本にもサッカーtotoがあるが、裏でのサッカー賭博という妙な噂は聞こえてこないし、八百長の「や」の字も噂はない。もちろん、そんな噂が少しでもたてば死活問題になる。10年ぐらい日本サッカーは衰退するだろうからな。

■万吉:
totoとは違うが、野球賭博もまだまだ健在だよ。関西の喫茶店やスナックで血眼になって阪神のテレビ中継を眺めているおっさんたちの相当数は「結構なカネをかけているのでは?」、と思ってしまうよ。それだけ真剣に試合を見ている。野球の場合、賭け率を決めるイギリスのブックメーカーの役割を担う「ハンデ師」という種族が全国に数人いる。彼らの力量と情報量は半端ではなく、そこらへんにいる解説者程度では足元にも及ばないと言われている。

★珍蔵:
賭博と言えば、まずそのブックメーカを思い浮かべるな。自らの国民性を「ネイションズ・ギャンブラー」と表すように、イギリス人は賭け好きだ。ブックメーカーの賭けの種類は多種多様。競馬やあらゆるプロスポーツはもちろん、明日の天気や世界各国の選挙に至るまで対象となる。あらゆる賭けごとのオッズをはじき出し、お金を集め、配当金を捻出している。もちろん、日本のスポーツやその他のことにおいても同様だ。

■万吉:
ブックメーカーは1795年にニューマーケット競馬場でオグデンという人により始められた。初めは競馬という伝統競技に馴染まないという事で反対も多かった様だが、そのうち同様のことをする人が増えた上に好評だったため、イギリス政府は1960年に完全に公認した。

賭博で気を付けなければならないのは、国によって法律上の扱いが異なるという点だろう。イギリスでは免許が必要であるが合法であり、アメリカ合衆国ではネバダ州など一部の州を除き非合法である。シンガポールやカナダなどいくつかの国では公営のブックメーカーのみが許可されている。日本では、法律で定められた胴元以外から公営競技の投票券等を購入することは、いわゆるノミ行為として全て違法とされる。