韓国の軍の人権センターは1日、国防総省・警察庁資料をもとに、軍人による性犯罪件数が年々増加する一方で、不起訴になるケースが増えている実態を明らかにした。韓国の複数のメディアが報じた。  韓国メディアは、「軍の性犯罪は増えても、処罰は徐々に弱く」「軍の性犯罪が増えても処罰は軽く」などと題し、軍人が引き起こす性犯罪は年々増加傾向にあるが、処罰は甘くなっていると伝えた。

 資料によると、性犯罪で摘発された軍人は2009年224人、2010年315人、2011年366人、今年は上半期だけでも189人と、毎年大幅に増加した。

 しかし、摘発された性犯罪が不起訴になったケースは2009年の58.1%から昨年は59.8%に増え、今年上半期には61.4%となった。軍の性犯罪者の不起訴率は平均59%、同期間の民間の性犯罪不起訴率は47%であり、12ポイントも高かった。

 副士官以上幹部の不起訴率は64.2%で、兵士の59.5%よりも高く、将校は71.6%に達し、階級が高いほど処罰されない傾向が大きいことが分かった。

 また、裁判に送られても実刑の宣告率は毎年低下しており、性犯罪で起訴された軍人のうち、実刑宣告率は2009年に19.2%、2010年は16.2 %、2011年が12.2%であった。この期間全体の実刑宣告率は15.2%で、民間の性犯罪実刑宣告率34.9%の半分にも満たなかった。(編集担当:李信恵・山口幸治)