13日、サッカー女子日本代表=なでしこジャパンの澤穂希が、アルガルベカップから帰国後に行った検査により「良性発作性頭位めまい症」と診断された。

同カップ準決勝のアメリカ戦、決勝のドイツ戦を体調不良により欠場していた澤。ロンドン五輪に向けた大事な準備期間にチーム(代表)の大黒柱を襲ったこの病気とは一体どういうものなのか。14日放送、日本テレビ「スッキリ!!」では肥塚泉医学博士が解説した。

同番組にコメントした博士は、良性発作性頭位めまい症について「頭位を変えるとめまいが起こってしまう。人によってはすごく気分が悪くなったり、実際吐いてしまう方もいます」と切り出す。

具体的には、「三半規管にゴミ(耳石)が落ちていると(三半規管に)移動します。(三半規管に耳石が入ると)じっとしているのに、あたかも回転してるような情報が脳に伝わる。自分自身は仰向けに寝ているんですけど、景色はぐるぐる回る。これはもう大変なこと。それが起こってしまうのが今回の病気」と話す。

また、発症の原因については、「(頭が)ガーンと当たると耳石が飛ぶんです。それで起こることが多いと言われています。サッカーなんかもヘディングもありますし、お互いぶつかりますから、そういうことがたまたまあって」と語った肥塚泉医学博士。何らかの衝撃により、本来は耳石器に納まっている砂粒のような耳石がはがれ、これが蓄積して三半規管に入ることで発症することがあると解説した。

気になる澤の治療には、「胆石のように溶かす薬は存在しません。この中にある間は絶対消えませんから、何が何でも元(の位置)に戻す。ここに戻れば、いわゆる傷ついた耳石が帰ってくればそれを処理する細胞は待ってます。ここに帰せば治るんです」という。

帰国後「めまいはしますが、身体は元気なので早くサッカーがしたいです」というコメントを発表した澤。15日には日韓チャンピオンシップで所属クラブ・INAC神戸の試合が予定されている。