横浜FCvs熊本は梅雨入り最初の試合、どしゃぶりです。せっかく来てくれる観客をもう一度呼び込むためにも、いつも以上の熱戦を期待したいところです。特に熊本の高木監督はかつて横浜FCを率いてJ1昇格をなし遂げた人物。横浜FCにしても、高木監督にしても負けたくない気持ちは強かったでしょう。

ところがスリッピーなピッチで両チームともボールコントロールに苦労します。まるでボールが落ち着かず、どたばたとした試合展開になりました。5分に熊本の吉井がミドルシュートを決めて先制しますが、21分、ファビーニョが押し込んで横浜FCが同点とします。

37分、熊本が動きました。2トップの仲間選手に変えてMF武富選手を入れ、1トップに変更し、横浜FCのボランチ2人をしっかり押さえ込みます。そして横浜FCのボランチ、特にファビーニョが上がっていった背後を突くようになりました。これが功を奏し、その後はすっかり熊本ペースになります。41分、熊本のエジミウソンが決勝点を決め、後半は何も起きず、タイムアップとなりました。こんなに早く高木監督が動くとは……と思ったのですが、この試合の一番の妙手でした。ご本人も「この時間に動くとは、らしくない」と思われると知っていたようです。

横浜FCは昨季のボランチ、ホベルトの穴に苦しんでいるように見えます。もっともホベルトもFC東京に移籍したもののケガでブラジルに帰国しているので買い戻すわけにもいかないでしょう。

高木監督は熊本の守備ラインを「今日はバタバタしてしまった」と自ら評価していましたが、悪コンディションでもしっかりラインを上げる場面もあり、安定感があります。見ていると、それはGK南選手の守備範囲の広さをDFが信頼しているからだとわかりました。

南選手にその件についてお話を聞くと「それが自分の持ち味で守備ラインの背後を注意してあげないといけませんから。それに守備については去年からの継続で充実してきたと思います」と胸を張って答えてもらいました。「熊本は被シュート数がJリーグの中でも少なくて、それは前の選手のおかげですから」ととても謙虚な言葉の後の台詞です。


この試合には神戸の宮川悟さんがスカウトとして来ていらっしゃいました。ポルトガル語も話せるので去年までは通訳だったのですが、今年は会場を回っていらっしゃるようです。



宮川さん、現役のころに比べたらちょっとふっくらしたような……。

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