ノースロンドンの雄が、よもやの“敗北”を喫した。

 現地時間2月27日、ヨーロッパリーグ(EL)ラウンド・オブ32の第2レグが行なわれ、本拠地エミレーツにオリンピアコスを迎えたアーセナルは、延長戦の末に1-2で敗戦。2戦合計スコアは2-2だったものの、アウェーゴールの差で敗退が決定した。

 ホームサポーターからも怒号が飛び交った。53分にCKからオリンピアコスにゴールを許し、トータルスコアで追いつかれたアーセナルは、113分にエース、ピエール=エメリク・オーバメヤンの鮮やかなバイシクルシュートで勝ち越したものの、試合終了間際の119分にセットプレーの流れから失点……。ショッキングな敗退が決まった。

 まさかの結果に茫然自失といった様子だ。勝ち越しゴールを決めたオーバメヤンは、「とてもショックだ」と絞り出した。

「とても失望しているよ……。試合のペースを掴めなかったから、今日は無駄に消費してしまった。土壇場でのゴールは僕たちにとって不運だった。今は凄く、凄く悪い気分だ。どうしてチャンスを逃してしまったのかは分からない。彼らはとても深い位置でプレーしアタッキングサードで解決策を見つけるのは難しかった。大変だったとしか言えないね」

 アーセナルは優勝候補の一角にも挙げられていただけに、英メディアも驚きを隠せない。英紙『The Sun』は、「ヒーローから涙」と銘打ち、次のように続けた。

「鮮やかなバイシクルシュートを決めたオーバメヤンは、その瞬間、間違いなくヒーローだった。しかし、そのエクスタシーはわずか8分間で絶望へと変わった。試合終了後、エースは手袋で自分の顔を覆い、膝をついて涙を流していたように見えた」

 さらに元アーセナルのマーティン・キーオンは、試合中継を行なっていた『BT Sport』の番組内で、辛辣に古巣をこき下ろした。

「アーセナルがやるべきことはたくさんある。今すぐに再建を始めなければならない。こんな夜は初めてだ。選手たちが監督に応えようとせず、監督にも答えがない。非常に失望しているし、およそプロとは言えないパフォーマンスだった。

 アルテタは良いコーチではあるが、監督としてはどうだろう? 今彼は自分自身に自問自答していることだろう。よくチームを見直したうえで、月曜日のFAカップ(ポーツマス戦)で何か表現してもらいたいね」

 屈辱の敗戦からノースロンドンの雄はいかに立ち上がるのか。若き指揮官ミケル・アルテタの手腕が問われている。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部