2018年8月、坂道合同オーディションに合格し、乃木坂46の4期生としてデビューした早川聖来。さまざまな才能が集まる乃木坂46の4期生の中でも、演技派として知られる存在だ。

1幕がオーディション、観客の投票により2幕の出演者が決まる“キャスティング参加型演劇”『3人のプリンシパル』では、最速3役制覇、2幕進出回数トップタイ。『乃木坂46版 ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」2019』では、セーラーマーズ/火野レイ役に抜擢された。

そして3月、舞台『スマホを落としただけなのに』にヒロイン・稲葉麻美役で出演決定。本作には乃木坂46のメンバーは他に出演しない。まぎれもなく女優として大きな一歩となるだろう。

インタビューでは、子ども時代の芝居やバレエの経験について、乃木坂46に加入してからの気持ちの変化について、自分を支えてくれるメンバーやスタッフ、ファンへの感謝について語ってもらった。文末の1問1答アンケートも合わせてお楽しみください。

撮影/アライテツヤ 取材・文/照沼健太

ミュージカルにバレエ、舞台に立ち続けた子ども時代

乃木坂46の4期生の中でも演技派と言われている早川さんですが、演技経験はあったのでしょうか?
小さい頃、夏休みにだけやる地元の市民ミュージカルに参加していました。お母さんに「オーディションに受かったら自転車を買ってあげる」と言われて、新しい自転車が欲しくて受けました(笑)
(笑)。毎年参加されていたんですね。
はい。友だちができるのが楽しくて毎年参加するようになりました。
他にはクラシックバレエを習っていたそうですね。
そうなんです。お母さんが小さい頃にバレエをやっていたのもあって、私が生まれる前から私のためにレオタードとか揃えていたんです。それで自然と習い始めました。

受験のために一度お休みしたことはあったんですけど、それまではずっと続けていました。乃木坂46に入って東京に来てからも教室を探して時間があったら行くようにしています。
バレエがお好きなんですね。
ずっと続けてきたものがそれくらいしかないんです。だから、好きというよりも“ずっと続けてきたものだからやってしまう”という部分が大きいのかもしれません。
でもバレエをやることに魅力を感じていないと、そこまで続かないですよね。バレエの魅力って何ですか?
バレエをやっていると自分自身と向き合えるんです。鏡越しに踊っている姿を見ることで、どれくらいキレイに踊れているかだけじゃなく、表情や動きでそのときの気持ちもわかるんですよね。浮かない気持ちで踊っていると、動きにそれが出ちゃう。バレエはそうした経験を通して、自分を磨いてくれるものだと思います。

ライバルは他人ではなく、“きのうの自分”

乃木坂46に加入後は、4期生初公演『3人のプリンシパル』(以下、『プリンシパル』)では16公演中11公演でファン投票を勝ち抜き2幕に出演されました。この経験はいかがでしたか?
選ばれる/選ばれないというのが目の前で繰り広げられるので、やっぱり苦しかったですし、自分の中でも葛藤は大きかったです。でも、それ以上に得たものは大きかったと思っています。自分との戦いだと気づくことができましたから。
自分との戦い?
私は最初、他の人と自分を比べてばかりいたんです。「この子はセリフを覚えるのが早いな」とか「あの子、褒められてるな」とか。でも、『プリンシパル』の期間中に、スタッフさんに「自分との戦いだよ」と言われて、そこからだんだんと比較対象が“きのうの自分”になっていったんです。

“きのうの自分“より上手に歌えたか。”きのうの自分”より上手に踊れたか。ライバルは他人じゃなくて、“きのうの自分”なんだ、と。こういった考え方は『プリンシパル』が終わってからも生きていると思います。
『乃木坂46版 ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」2019』ではセーラーマーズ/火野レイ役で出演されましたが、もともと『美少女戦士セーラームーン』(以下、『セーラームーン』)という作品は知っていましたか?
知ってました。名前が聖来(せいら)なので、ちっちゃいときから「セーラームーン」ってよく言われていたので(笑)。

でも、原作の漫画やアニメは観ていなかったので、出演が決まってから漫画を買って読みました。私は少女漫画を読んだことがなかったので、『セーラームーン』が人生初の少女漫画となりました。
実際に演じてみて楽しかったですか?
はい。お芝居に対する想いがとても強くなりました。『プリンシパル』のときは、セリフを覚えることに必死で、お芝居を深めるところまではできていなかったんですけど、『セーラームーン』ではひとつの役に集中して役作りを初めてできたんです。

レイちゃんの家のモデルになっている麻布氷川神社に行ってみたり、漫画を読んだりアニメを観たり。他のメンバーと一緒に話したりしながら役を作っていく、その時間がすごく楽しかったです。
大変な人気作品ですが、まわりの反応はいかがでしたか?
4期生の子たちが観に来てくれて「私もセーラーマーズになりたい」って言ってくれたんです。同期の子たちは私と一緒で『セーラームーン』をリアルタイムで観てきた世代ではないですけど、彼女たちがそう言ってくれたということは、アニメが放送されていたときに観てた、当時の女の子たちがテレビ越しにセーラー戦士たちに憧れていたのと同じような気持ちになってくれたのかなって。すごく嬉しかったです。

舞台『スマホを落としただけなのに』ヒロインに抜擢

そして今回、舞台『スマホを落としただけなのに』に出演が決まりました。北川景子さん主演で映画化もされ話題になりましたが、ご覧になりましたか?
はい。でも、怖くてなかなか観れなかったんですよ。
(笑)。
どんな話なのかあらすじとかを調べて、心の準備をしてから観ました(笑)。
どうでしたか?
面白かったです! 自分が想像していた幽霊みたいな怖さとは違っていたので、全然大丈夫でした(笑)。すっかりハマってしまって、原作の小説も読んでいます。きょうの取材を受けるために昨晩も読み返していたんですよ。読み始めたら止まらなくて、今も続きが気になっているくらいです(笑)。
どういうところが好きですか?
「騙されたー!」ってなるところです(笑)。私は考察するのが好きなので、いろんな人の視点で描かれていく様子を「これ、誰の目線?」と考えたり、「舞台だとどんな演出がつくんだろう?」とか想像するのがすごく楽しかったです。真相を突き止めていく過程もすごく楽しいので、舞台でもお客さんと一緒に謎解きができたらいいなと思っています。
本作が舞台単独初ヒロインとなりますが、まわりに乃木坂46のメンバーがいませんね。
そうなんです。寂しいですね……。
こうやって単独のお仕事が決まったということは、周囲から期待を寄せられているということだと思いますが、いかがですか?
スタッフさんにも「舞台のお仕事は楽しい?」ってよく聞かれますし、メンバーの4期生にも「もっと舞台に出ている姿を見たい」と言ってもらえるので、すごくやりがいを感じています。『スマホを落としただけなのに』も「絶対に観に行くね」って言ってもらえているので、一生懸命頑張りたいです。

乃木坂46に加入するか、進学するか。人生の大きな選択

2019年8月に乃木坂46に加入。そもそもオーディションに応募した理由は何だったのでしょうか?
家族からの勧めでオーディションを受けたのがきっかけです。
じゃあ、特別アイドルになりたかったわけでもなく?
高校3年生のときにオーディションに受かったんですけど、それまではずっと大学に進学するつもりでしたし、そのために高2から塾に通わせてもらっていました。
合格が決まったとき、すんなり覚悟が決まりましたか?
「大丈夫かな」とか「ひとりで東京に行くの?」とか「将来、本当にこれで生きていけるのだろうか」とかいろいろ考えました。普通に大学に行って学び、一般企業に就職しようと思っていたので。安定したいなと(笑)。
それが、安定とは真逆の世界に飛び込むことに。
はい……。この決断で自分の人生が変わると思ったら、すごく悩んでしまって、担任の先生にも相談しました。

悩みに悩んだ挙げ句、大学は、行こうと思えば後からでも行ける。でも乃木坂46は今しか入れない!と思い、こっちに決めました。
坂道合同オーディションに合格して、配属が乃木坂に決まったときはどう思いましたか?
「どこかに入れてよかった」と思いました(笑)。
どこのグループに入りたい、とか強く考えていたわけじゃないんですね。
自分がどこに向いているかもわからなかったんです。もちろん、乃木坂46に入ることが決まったときは、とても嬉しかったです!
メンバーと初めて対面したときはどうでしたか?
オーラに圧倒されました。初めてお会いしたときのことはまだ覚えています。みなさん本当に洗練された美しさがあって、なんかもう言葉にならなかったですね。めちゃくちゃ緊張しましたし……。
今でも緊張しますか?
以前と比べると、話せるようになってきました。先輩方と一緒にお仕事させていただく機会も増え、少しずつみなさんの性格もわかってきましたし、もともとそんなに人見知りする方ではないので。

乃木坂46の成長が、自分自身の成長につながるんだ

乃木坂46に加入して1年と半年がたちます。歌やダンスのレッスン、CDのレコーディング、MVの撮影、テレビ番組の収録など、いろんな経験をされたと思いますが、自分が変わってきたと感じる部分はありますか?
なんというか、最優先事項が変わりました。
最優先事項?
言い方はあまりよくないかもしれないんですけど、最初は自分のことだけを一生懸命考えていたんです。「このグループで自分はどうすれば生きていけるだろう」とか「自分は何が向いていて、何がしたいんだろう」とか。
当然そう思いますよね。
でも、この1年で「グループが自分を作ってくれている」と感じることがすごく多かったんですね。先輩にもすごくよくしてもらったり、同期の子たちともたくさんいろんなメディアに出させてもらったりしました。それは全部、今まで乃木坂46を大きくしてくださった先輩たちのおかげなんです。『スマホを落としただけなのに』の舞台に立てるのもグループがあるからこそですし、そういうことに気づかせてもらうことが多かったですね。

だから私も、グループを最優先事項として考えるようになりました。もちろん自分のことも考えますけど、それ以上に「グループに貢献したい」とか「グループが成長できたら、自分も成長できる」と考えるようになりました。
普通は社会人経験を何年か積んでから気づくようなことに、あっという間にたどり着いたんですね。
そういうふうに考える先輩たちやスタッフさんに恵まれたからだと思います。乃木坂46にはそういう優しい方ばかりですから、私自身、乃木坂46に惹かれ、大切に思える存在になりました。この1年間で、グループへの愛がすごく大きくなりました。
もともとアイドルにくわしくなかった早川さんですが、乃木坂46のメンバーとして活動し、今はアイドルをどんな職業や存在だと思っていますか?
人をプラスの気持ちにさせてあげられる職業だと思っています。私はテレビとかラジオも好きですけど、ライブや舞台みたいに直接ファンの方にお会いできる時間がとくに好きです。いいパフォーマンスをすれば、みんなが笑顔になってくれる。そんなみんなの表情を見ると、自分も元気になります。

自分らしさを届けて、それで喜んでもらえたら、自分も嬉しい。アイドルは、ファンの方とそんな関係が作れる、素敵なお仕事だと思っています。
自分を推してくれるファンは、早川さんにとってどんな存在ですか?
本当に励みになります。ファンの方がいるからライブもできるし、握手会もできるし、お仕事もできると私は思っています。本当に助けられてばっかりなので、少しでも恩返しできるように頑張りたいです。

早川聖来さんってどんな人? 1問1答アンケート

最後に、早川さんのことをもっとお伺いしたいので、1問1答形式のアンケートコーナーをご用意しました。
湯船に長時間浸かること。東京でひとり暮らしを始めてから、お風呂場をひとり占めできるようになって楽しいです(笑)。今は寒い季節ですし、ゆっくり温まっています。
家で1日中、映画を観るか、バレエに行くか、ショッピングに行きます。
みんなのノリがよくて、話が楽しいところ。地元に帰ると、やっぱり落ち着きますね。
でも、こうして話していると、イントネーションも含め大阪出身っぽい感じは全然しませんね。
それは、隠してるんです!『スマホを落としただけなのに』での取材なので、関西弁を出さないほうが女優さんっぽいかなって(笑)。
生まれ変わったら木になりたいです。クスノキとか。
木……?(笑)
長生きしたいんです。いろんな時代を見たいので。樹齢1000年の木とかあるじゃないですか。ああいう木になりたいなって思います。
早川聖来(はやかわ・せいら)
2000年8月24日生まれ。大阪府出身。A型。2018年8月20日に坂道合同オーディションに合格し、乃木坂46の4期生としてデビュー。2019年4月の4期生初公演『3人のプリンシパル』で演技力を発揮し、2019年10月には『乃木坂46版 ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」2019』にセーラーマーズ/火野レイ役で出演。3月には舞台『スマホを落としただけなのに』に稲葉麻美役で出演する。

    作品情報

    舞台『スマホを落としただけなのに』
    <東京公演>3月20日(金・祝)〜4月5日(日)紀伊国屋サザンシアター TAKASHIMAYA
    <大阪公演>4月18日(土)〜4月19日(日)松下IMPホール
    https://www.sumahootoshita-stage.jp/

    サイン入りポラプレゼント

    今回インタビューをさせていただいた、早川聖来さんのサイン入りポラを抽選で3名様にプレゼント。ご希望の方は、下記の項目をご確認いただいたうえ、奮ってご応募ください。

    応募方法
    ライブドアニュースのTwitterアカウント(@livedoornews)をフォロー&以下のツイートをRT
    受付期間
    2020年2月27日(木)12:00〜3月4日(水)12:00
    当選者確定フロー
    • 当選者発表日/3月5日(木)
    • 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、個人情報の安全な受け渡しのため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
    • 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから3月5日(木)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき3月8日(日)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
    キャンペーン規約
    • 複数回応募されても当選確率は上がりません。
    • 賞品発送先は日本国内のみです。
    • 応募にかかる通信料・通話料などはお客様のご負担となります。
    • 応募内容、方法に虚偽の記載がある場合や、当方が不正と判断した場合、応募資格を取り消します。
    • 当選結果に関してのお問い合わせにはお答えすることができません。
    • 賞品の指定はできません。
    • 賞品の不具合・破損に関する責任は一切負いかねます。
    • 本キャンペーン当選賞品を、インターネットオークションなどで第三者に転売・譲渡することは禁止しております。
    • 個人情報の利用に関しましてはこちらをご覧ください。
    ライブドアニュースのインタビュー特集では、役者・アーティスト・声優・YouTuberなど、さまざまなジャンルで活躍されている方々を取り上げています。
    記事への感想・ご意見、お問い合わせなどは こちら までご連絡ください。