農水省は、新型コロナウイルスによる肺炎が拡大する中国・武漢市からの帰国者が滞在する国内の施設で、食事面のサポートをしている。生野菜を求める声などに応じて、栄養や品数に配慮したメニューを同省職員が考案し、提供。帰国者の宿泊生活を支える。一連の対応を参考に、新たな危機対応のマニュアル作成も検討する。

 各府省は帰国者の宿泊施設に職員を派遣し、物資の受け渡しなどに携わる。現在、同省は4カ所に職員9人を派遣する。

 宿泊生活を余儀なくされている帰国者のため、同省は多様な食事の提供を心掛ける。同省職員が常駐する各地の宿泊施設では、周辺の食品業者の協力を得て野菜や果物などを調達したり、栄養バランスに配慮した弁当メニューを考案したりしている。同省によると「食事がよくなった」「野菜が食べられるようになった」との声が届いているという。

 同省は「緊急時は品不足のため同じような食事になりがち。だが、今回は可能な限り多彩な食事を用意するようにした」(大臣官房)と明かす。