恋する相手に思いを伝えるも、うまくいなかったことで相手を殺害しようとして逮捕された女の一報がアメリカから届いた。その女は北海道出身で、2004年から米名門大学の美術学科で教鞭を執っていた。『New York Post』『Daily Beast』などが伝えている。

米マサチューセッツ州に本部を置くマウント・ホリヨーク大学は、アメリカ最古の女子大で難関校のひとつと言われている。そこで教授をしていたリエ・ハチヤナギ(Rie Hachiyanagi、48)は芸術とアジア文化を教えていたが、先月24日に殺人未遂で逮捕された。

警察の調べによると先月23日の夜、ハチヤナギはマサチューセッツ州レバレットにある同大学の60歳代とみられる女性教授宅を訪れた。そして「自分の思いについて伝えたいことがあります」と告げ、女性はハチヤナギを自宅に招き入れたという。

この時女性は突然、ハチヤナギから「ずっと前からあなたのことを愛していました」と愛の告白を受けた。しかし女性は「受け入れることができない」と伝えたそうだ。するとその直後にハチヤナギは豹変し、部屋にあった岩のオブジェ、暖炉の火かき棒や植木ばさみを掴んで女性に殴りかかったのだ。

女性は流血しながらも、ハチヤナギをなだめるために「思いは報われないこともない」ことを伝えた。するとハチヤナギは攻撃の手を止め、落ち着きを見せたという。その後2人は話し合い、怪我は何者かに襲われたことにして警察に通報し、救急車を呼ぶことにしたそうだ。

24日の午前0時44分頃、ハチヤナギは自ら警察と救急隊に女性が流血して倒れていると連絡した。怪我をした女性はハチヤナギに襲われたことをすぐにでも伝えたかったようだが、報復を恐れた彼女は救急車で病院に到着してから「犯人はハチヤナギだ」と警察官に告げた。

これにより警察は同日の午後7時に自宅にいたハチヤナギを逮捕した。のちに彼女は「過去に脳震盪と記憶喪失を発症したことがあり、先月23日の午後6時以降のことは何も覚えていない」と供述している。しかしハチヤナギが逮捕された時、被害者女性の鍵とメガネ、携帯電話を所持していた。

被害者の女性は鼻と目のあたりを複数骨折し、頭と顔に多数の裂傷と刺し傷があったという。これによりハチヤナギは3件の危険な武器を使った暴行傷害罪と殺人未遂罪に問われ今月3日、法廷に出廷している。

ちなみにマウント・ホリヨーク大学の教授紹介のページで、ハチヤナギは高校生の時に札幌からカンザス地方へ交換留学生として渡米し、言葉の壁から最適なコニュニケーションが取ることができなかったことから、芸術で表現をする術を身につけたと記されている。主に紙を使ったアート作品を手がけているハチヤナギは、かつて日本でも“八柳里枝”として講演を行っていた。

現在のハチヤナギは、来月4日にオレンジ地方裁判所で開かれる聴聞会までは保釈金の設定無しでフランクリン郡刑務所に拘留されているという。

画像は『New York Post 2020年1月4日付「Mount Holyoke College professor accused of trying to beat co-worker to death」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)