日本、韓国、中国、香港がリーグ戦を戦う来月のE-1選手権。中国代表はマルチェッロ・リッピ監督ではなく、かつてエバートンなどイングランドでプレーした経験を持つ元代表のリー・ティエが暫定的に指揮を執ることになった。

 イタリア紙『Gazzetta dello Sport』によると、リッピ監督は大会中、母国イタリアに戻っているとのこと。これを受け、中国メディアがリッピ監督を批判している。

『Tencent Sports』によれば、リッピ監督は11月のワールドカップ(W杯)・アジア2次予選を終えると、クリスマスを母国イタリアで過ごすために帰国するという。同紙は「バカンスは4か月に及ぶかもしれない」と伝えた。

 71歳の老将の年俸は1億8000万元(約28億円)。それだけに、地元紙『東方日報』は「職務怠慢」と、厳しく糾弾している。

「彼の仕事は代表チームを率いることではないのか? その立場で報酬を受け取っているのだから、彼は自分の仕事をすべきだろう」

 さらに、同紙は「中国サッカーの長期的発展に関心がない」と批判を続けたうえで、“監督責任”もあると指摘した。

「中国に対する倫理的な平手打ち、屈辱だ。当然の疑問が浮かぶ。このように振る舞える権限と肩書きをリッピに与えたのはだれだ?」

 一度は中国代表監督を退任し、かつての教え子ファビオ・カンナバーロに後を託したリッピだが、わずか4か月ほどで復任。中国はカタールW杯アジア2次予選グループAで、首位シリアに勝点2差の2位につけている。

 たびたびイタリアの家族との距離に言及してきたリッピ監督だが、中国メディアからの批判が今後に影響することはあるのだろうか。12月10日に行なわれるE-1選手権初戦で、中国は日本と対戦する。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部