外国資本による森林買収面積(2018年度)が373ヘクタールに上り、調査が本格化した2010年以降、最大となったことが林野庁の調べで分かった。兵庫県で、太陽光発電用地として100ヘクタール単位の買収が2件続いたことが影響した。1ヘクタール以上の開発を対象にした林地開発許可制度に基づき県知事が問題ないと判断し、許可された。同庁によると制度上、今後も100ヘクタール超の森林買収が起きる可能性はあるという。
 
 18年度の森林買収の合計面積は373ヘクタール。300ヘクタールを超えたのは今回が初めて。都道府県別に見ると、兵庫県が258ヘクタールに上り、全体の約7割を占める。兵庫県の内訳は上郡町140ヘクタールと姫路市の118ヘクタール。いずれも米国の法人が太陽光発電用地として買収した。

 同庁は1ヘクタール以上の開発行為に対し、林地開発許可制度を設けている。災害防止や水の確保、環境保全などについて、都道府県知事が問題がないと判断した場合、開発が許可される。

 兵庫県は今回の買収について「林地開発許可制度に基づいて判断した」(林務課)と説明。買収された2件では、太陽光発電用のパネルが設置されているという。

 太陽光発電用地としては、17年にも福島県いわき市で、米国の法人が90ヘクタールを買収している。

 同庁は、林地開発許可制度の許可が下りれば、今回のように100ヘクタール規模の林地が太陽光発電用地として買収される可能性はあるとしている。「外資であろうとなかろうと、林地開発許可制度に基づいて対応し、森林の公益的機能を維持する」(計画課)としている。