ヤギ乳の販売を手掛ける岩手県宮古市のしあわせ乳業は、日本初のヤギ乳専門洋菓子店「パティスリー レ・ド・シェーブル」をオープンした。ヤギ乳の栄養価の高さや、淡泊ですっきりとした味わいをアピールする。

 しあわせ乳業は2017年、東京から移住した前田英仁さん(57)が立ち上げた。現在、牧場の従業員は6人で、40ヘクタールの牧場に230頭のヤギを放牧する。ヤギ乳の契約数は、東京のスーパーやホテル、教育機関など100カ所に上る。

 店のメニューはショートケーキ486円、シュークリーム324円、プリン486円など。ゴールデンウイークに備えて、ヤギ乳を使った、タピオカドリンク、イタリアの伝統菓子、ソフトクリームの3種類を開発し、新たに販売した。

 前田さんは「ヤギ乳は脂肪球が小さいため消化が早い。タウリンという成分が豊富で、中性脂肪を減らしたり血圧を下げたりする効果もある。あっさりした後味と、まろやかさが好評だ」と説明する。

 ヤギ乳は季節によって味の差が大きく、扱いづらいとされてきた。においがきつくなる夏場はハーブや洋酒を入れて調整する。「ヤギ乳や洋菓子を味わってもらい、特徴を啓発していきたい」と笑顔を見せる。

 店舗はJR宮古駅から徒歩2分。問い合わせは同店、(電)0193(87)5959。