「コシヒカリ」が「平成」の首位を独占──。米穀機構がまとめた2018年産米の品種別作付け動向によると、18年産の「コシヒカリ」の作付面積は全体の35%を占め、品種別で最大となった。「平成」時代を含め、1979(昭和54)年産から40年連続で首位を堅持した。一方、その割合は減少傾向で、同機構は「品種の多様化が進んでいる」とみる。

 同機構が、東京を除く46道府県から聞き取り、品種ごとに作付け割合(面積ベース)を推計した。同調査は、2010年産以降は同機構、09年産以前は農水省が実施している。

 18年産の「コシヒカリ」の作付け割合は前年産比0・6ポイント減の35%。「日本晴」を追い抜き、トップの座についた79年産以降、首位を独占している。同省がまとめた農産物検査結果によると、18年産では北海道と東京、沖縄を除く44府県で生産実績があり、品種別で最も広範囲で生産されている。このうち24府県で「コシヒカリ」の作付け割合が最大だった。

 一方、主力品種から他品種へ切り替える動きもある。上位10品種の順位は3年連続で同じ結果となったが、6位の「はえぬき」と8位の「まっしぐら」を除く8品種の作付け割合が前年産を下回った。上位10品種を合わせた作付け割合は18年産で73・1%と、05年産(83・1%)をピークに減少傾向にある。

 同機構は「県独自開発の良食味ブランド米や多収性・高温耐性品種への切り替えが進んでいる。生産規模の拡大に伴い、作期分散のために複数品種を取り入れる動きもある」と分析する。

 その他、上位20品種で見ると、順位の変動があった。「ふさこがね」(0・2ポイント増の0・8%)は前年産の19位から17位に順位を上げた。これに伴い、「彩のかがやき」(17位から18位)と「きらら397」(18位から19位)がそれぞれ順位を一つ下げた。