かつて、陸の孤島とも言われた横浜の本牧。ネコを求めてぶらりと訪れるには、なかなか個性的なスポットが多い街なのだ。

スタッフにも愛されているが、ノラネコ/(C)KADOKAWA 撮影=野口 彈

■ 「メリ〜ゴーランド研究所」に集まるノラネコ

世界的に珍しい移動式メリ〜ゴーランド(組み立て式メリーゴーラウンド)の研究開発をはじめ、個人や店舗の注文で美術制作なども行う「メリ〜ゴーランド研究所」。ここに集まってくるノラネコは3匹おり、スタッフみんなで可愛がっている。

米軍住宅のイメージがある街でもひときわ馴染んでいるアトリエに、メルヘンな木馬がたくさん。そんなアトリエの居心地がいいのか、近所のネコが集まってくる。3匹はノラネコだが、うち1匹は「まだ新人」だそう。中で、ひょっこりネコが遊んでいたりもする。

造形・絵画などの美術教室 、アートグッズの販売なども行なっている「メリ〜ゴーランド研究所」。イベントを行えば、大人も子供も楽しめる場所として解放しているそう。カッコいい大人のイメージの本牧、商店街付近の散策のあとは、住宅街にも足を伸ばしてみて。ネコに出会うには運が必要だが、研究所は平日なら見学は自由だ。

■ 三溪園の目の前!「みやげ物お食事処小島屋」のネコ

本牧を代表する施設「三溪園」の入り口隣にある「みやげ物お食事処小島屋」。1910(明治43)年創業と老舗だ。

建物の中も歴史を感じる味のある空間。そんな店には、現在8匹のネコがいるという。初代から飼いネコが1匹いたが、ボランティア団体から黒ネコのタマを譲り受け、ノラネコだったチャチャの家族が自然に居つき、現在は8匹。そのうち4匹が気まぐれで店に顔を出す。常に常駐しているわけではなく、周辺をパトロールしていることもある。

チャチャは3匹のネコの母として気が強いが、食いしん坊な一面もあるツンデレな性格。近所のノラネコも店の周りに集まってくる。

ネコが、ときどき店内でのんびりしていることも。寒い日は、ストーブの前に集まっていることもあるようだ。だが、基本はお客を外でお出迎え&お見送り。のんびり歩いたりバスに乗って周辺を巡ってきたら、ひと休みには最適の癒されスポットだ。帰りは醤油の染みた、焼きたての食べ歩きせんべい(5枚、250円)を頬張りながら、のんびりと帰りたい。

最寄の山手駅や、近くの元町にもたくさんネコに会えておすすめ。ネコ好きだった大佛次郎の夫人が大佛次郎の小説のタイトルにちなみ命名した「ティールーム霧笛」や、ネコが集まる「元町公園」などが見どころだ。どこもひっそりと静かに、ネコの世界が広がっている、ネコの聖地のようなエリア。合わせて巡れば、ネコ愛が充実した1日になること間違いなし!

【構成・取材・文=濱口真由美/撮影=野口 彈、後藤利江】(横浜ウォーカー・横浜ウォーカー編集部)