[J1リーグ8節]浦和1-0神戸/4月20日/埼玉スタジアム2002
 
 当然ながらアンドレス・イニエスタという名手は、どんな指揮官であっても喉から手が出るほど手に入れたいタレントなのだろう。
 
 ヴィッセル神戸のイニエスタは、4月20日の浦和レッズ戦を欠場。3日前に就任した吉田孝行監督によれば、「小さな怪我」が原因だというが、この日スタジアムに足を運んだ5万4,599人の観客は、スターを生で見れないことにガッカリしたに違いない。
 
 昨年9月23日での対戦時にも、イニエスタは埼玉スタジアムにやって来なかった(右太腿前の付け根に痛みを抱えていたため)。これで2季連続だ。
 
 神戸との対戦の後、浦和のオズワルド・オリヴェイラ監督も「彼は浦和でプレーすることが嫌いみたいだ」と冗談を言っていた。
 
 ただ、昨季は4−0、今回は1−0で勝利しているように、勝点3を得るためには、特大のチャンスである。オリヴェイラ監督は“イニエスタ対策”をしていたというが、一方で「選べるとしたらイニエスタがいないチームと戦いたい。彼は非常に素晴らしい選手だからね」と、その存在の大きさを語る。
 
 そんなオリヴェイラ監督は、イニエスタについての言及を「彼は敵としてではなく、味方として欲しい選手です」という言葉で締め括っている。
 
 やはりイニエスタは、監督なら誰しもがチームに欲しい、スペシャルな選手なのだろう。
 
取材・文●多田哲平(サッカーダイジェスト編集部)