天国から地獄とは、まさにこのことだろう。

 マンチェスター・シティは現地時間4月17日、チャンピオンズ・リーグ(CL)準々決勝第2レグでトッテナムをホームに迎え、4-3で勝利したものの、2試合合計4-4、アウェーゴールの差で敗退を余儀なくされた。

 終了間際の後半アディショナルタイム、シティはラヒーム・スターリングがネットを揺らし、劇的な逆転勝利を収めたかに思われた。だが、ビデオアシスタントレフェリー(VAR)の指摘で、アシストしたセルヒオ・アグエロがオフサイドと判明。得点が取り消され、歓喜に沸いていたシティ陣営とスタジアムは沈黙することになった。

 シティがVAR判定に泣いたのは、この試合で2度目だった。問題となったのが、トッテナムにアドバンテージを奪われた73分のフェルナンド・ジョレンテのゴールシーンだ。ジョレンテが太腿あたりで押し込む直前に、ハンドがあったのではないかとVARの介入があったが、主審がモニターで確認した結果、得点が認められた。

 だが、異なる角度からの映像では、ボールはまずジョレンテの肘に当たっていたように見える。シティのジョゼップ・グアルディオラ監督は、この映像を主審が確認していたら、トッテナムの得点は認められなかったはずとの見解を示した。

『ESPN』によると、グアルディオラ監督は試合後に「VARを支持している。でも、主審(が確認した映像)の角度ではハンドじゃなかったかもしれないが、別の角度からはハンドだったのではないか。私はフェアな判定、フェアなサッカーを支持する」と不満をのぞかせている。

 クラブの悲願である欧州制覇、そして夢の4冠の可能性が潰え、指揮官は「突破に近づいていた。非情な結果だ。だが、受け入れなければいけない」と落胆を露にしつつ前を向いた。

「我々は必要だったゴールを決めた。残念ながら、最後は望んでいた結末にはならなかったが。トッテナムを祝福するよ。準決勝での健闘を祈る」
 
 20日には、プレミアリーグで再びトッテナムとホームで対戦する。リバプールとリーグタイトルを争っているシティだけに、引きずらずに気持ちを切り替えることが必要だ。

 スペイン人指揮官は、「我々は立ち上がり、リアクションしなければいけない。できる限りよく休んで、しっかり次の試合に向けて準備をしなければ」と述べた。

「我々は9〜10か月に渡ってリーグを戦ってきた。そして、まだそこ(タイトルを狙える位置)にいる。もちろん厳しい戦いになるが、最後まで全力を尽くさなければならない」

 シティは、この大きなショックを乗り越えることができるか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部