by João Jesus

近年ではおしゃれとして「あごひげ」を伸ばす人も多く、中にはあごから耳のそばまで長いひげを生やしている人も少なくありません。そんなあごひげと犬の体毛を比較した結果、伸ばしたあごひげには犬の体毛よりも多くの微生物が存在することが明らかになっています。

Would it be safe to have a dog in the MRI scanner before your own examination? A multicenter study to establish hygiene facts related to dogs and men | SpringerLink

https://link.springer.com/article/10.1007%2Fs00330-018-5648-z

Here's What That Study Comparing Beard And Dog Microbes Was Actually About

https://www.sciencealert.com/here-s-what-that-study-comparing-beard-and-dog-microbes-was-actually-about

動物関連の医療技術の進歩に伴いペットの寿命も延びており、それに従い疾患を診断するための画像診断技術の重要性も高まっています。ところが、MRIは導入や維持に多額の資金が必要となるため、多くの動物病院には動物専用のMRIが設置されていません。人間の医療施設にあるMRIを利用してペットをスキャンできれば便利ですが、多くの場合「ペットに人間と同じ設備を使わせると、人獣共通感染症が伝染してしまうのではないか」といった懸念が抱かれ、動物の診断にMRIが使用されることはありません。

そこで、スイスやオーストリアの研究チームは、「人間用のMRIを使ってペットの犬を画像診断することは衛生的に問題がないのか」を調べるため、人間のあごひげと犬の体毛で微生物の量を比較しました。

by Faith Goble

研究チームは脳または脊髄に関連する疾患を持ち、MRI検査を行うために病院を訪れた30頭の犬の口と体毛から微生物サンプルを採取しました。また、比較対象としてMRI検査のために病院を訪れたあごひげを生やした18人の男性についても、口とあごひげから微生物サンプルを採取したとのこと。

採取した微生物サンプルを分析した結果、人間のあごひげから採取したサンプルでは18人中全てにおいて高レベルの微生物量を示しました。その一方で、犬の場合は30頭中7頭で中レベルの微生物量を示し、残りの23頭では人間と同じく高レベルの微生物量を示したそうです。

また、人にとって病原体となる微生物について調べたところ、人間の場合は18人中7人で、犬の場合は30頭中4頭で人の病原体となる微生物が発見されました。この結果からも、犬を人間と同じMRIで検査することが、衛生上大きな問題となるとはいえないと研究チームは結論付けています。

さらに研究チームは人間専用のMRIと、ペット用のMRIを比較して微生物量を分析するという調査も行っています。すると、人間専用のMRIの方が、ペット用のMRIよりも微生物が有意に多く生息していることも明らかになりました。この違いは、ペット用のMRIは日常的に消毒が行われているという点が関連しているとみられています。

今回の研究結果は、犬を人間が使うMRIに入れて検査しても特に衛生上危険だということはないと示唆するものです。ただし、あごひげに多くの微生物が存在しているからといって、そのすべてが人間にとって有害なものであるとは限らず、時には人間にとって有益な微生物も存在するということは理解しておくべきです。

by Gaurav Sood