若さゆえに軽い気持ちでやったことであっても、事の良し悪しの判断を間違えると犯罪者になってしまうものだ。このほどアメリカから、義理の父親の飲み物に軽い気持ちで異物を混入したことで逮捕された少年の一報が届いた。『New York Post』『Fox News』などが伝えている。

ウィスコンシン州ロック郡で酪農を営む男性が昨年1月、いつもと同じように栄養ドリンクを飲んだ後、急に顔全体が垂れ下がったようになり、言葉もうまく話せず、呼吸が乱れるなどの状態に陥った。

すぐに病院へ行って診察を受けたところ、医師から「ストレスと寝不足が重なっている時に栄養ドリンクを飲んだせいだろう」と言われた。その後体調は良くなったが、4月にまた同じ症状が起こった。

そのため男性は栄養ドリンクを飲む量を減らしていた。ところがある日の夜、就寝中の男性は頭の上に毛布が何枚ものせられ、何者かに足を“しっぺ”される痛みによって目が覚めた。すると、一緒に暮らしている義理の息子タイラー・ラーベンホルスト・マローン(Tyler Rabenhorst-Malone、17)が、部屋から逃げ去るのを見たという。

そのことがあってから、男性は栄養ドリンクを飲んだ時の症状にタイラーが何か関係しているのではと疑い始めた。その後、男性の予想は的中することとなる。彼は、納屋に保管しておいたオキシトシン(ホルモン)と出産する牛のために使用していたキシラジン(鎮静、鎮痛、筋弛緩剤)が入った瓶が空であることに気付いた。

しかも男性は、納屋で使用済とみられる注射器を発見した。これで栄養ドリンクに薬剤を注入していたものと判断した男性は、自分が飲もうとした栄養ドリンクをロック郡保安官事務所に送り、成分の調査を依頼した。

すると栄養ドリンクには、キシラジンの反応が見られたという。また、彼の妻でタイラーの母親である女性も「4月頃には納屋に保管していたオキシトシンとキシラジンの箱がなくなっていた」と話しており、これらの証言をもとに警察が捜査を続けたところ、先月7日にタイラーは義理の父親が普段飲む栄養ドリンクにキシラジンを混入したことを認めた。

タイラーは「危険な目に遭わせるつもりは無かった。面白いだろうと思ってやっただけ」と供述している。異物を混入し二度にわたって義理の父親を危険にさらした罪でタイラーは逮捕され、今月18日に出廷する予定とのことだ。

画像は『New York Post 2019年3月5日付「Teen thought it would be ‘funny’ to spike stepfather’s drinks with tranquilizer」(Rock County Sheriff’s Office)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)