2月23日から、プロ野球のオープン戦が始まった。オフの間、試合を見られなかったファンにとって、待望の季節が到来したと言っていいだろう。だがこの日、往年のファンからすれば、信じられない事態が起こっていた。野球担当記者が話す。

「巨人のオープン戦の開幕試合である楽天戦の試合が地上波はおろか、BSでも放送されず、有料チャンネルであるCSでの中継だったんです。原辰徳監督の復帰、広島からFA移籍した丸佳浩を筆頭に、前マリナーズの岩隈久志など多くの新戦力を得て、話題は満載のはずなんですが……。

 巨人戦が視聴率20%を取っていた時代は、キャンプ中でも日本テレビが日曜に特番を作って紅白戦を中継していました。もちろん、オープン戦の開幕戦も放映権を持っていれば必ず放送していた。清原和博が西武から巨人にFA移籍した1997年は紅白戦中継で16.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区。以下同)、オープン戦初戦で15.9%でした。それが今や、CSでしか見られないとは……」(以下同)

 同じ時間帯に日テレの地上波では『幸せ!ボンビーガール』の傑作選、『警察カメラ逮捕劇』という特番が組まれ、BS日テレでは『スーパーラグビー2019』のサンウルブズ(日本)対ワラターズ(豪州)戦が放送されていた。

「正直、今の巨人戦は視聴率を取れません。去年の地上波ナイター中継は全局合わせて9試合しかなく、開幕戦を含め1度も2ケタに乗らなかった。日テレはそのうち5試合を放送し、6%の日もあった。視聴率三冠王を続けている日テレのゴールデン帯はだいたい2ケタを出すので、本音としては巨人戦を中継したくないと思います」

 日テレは今年の9月からラグビーW杯を放送する。前回大会の2015年、10月3日土曜の22時台から放送したサモア戦で19.3%を獲得。24時23分と25分には瞬間最高25.2%という高視聴率をマークした。

「日テレはラグビーW杯を優良コンテンツとみなし、9月に向けて盛り上げていこうという方針です。ただ、地上波ではW杯以外の試合は数字を取れないこともわかっている。たとえば、2017年6月10日、土曜14時30分から放送した『日本×ルーマニア』戦は2.7%でした。あまり高い数字が見込めない時間帯とはいえ、これはかなり低い。だから、今回『スーパーラグビー2019』も地上波ではなくBSにしたのでしょう」

 このような事情があって、巨人戦はCSに回ったようだが、オープン戦の開幕戦がBSですら見られないとは時代も変わったものである。

「BSでは巨人戦は優良コンテンツですし、ラグビーW杯があるという例年とは異なる状況ですから、今回は特例だと思います。実際、2月24日の巨人対日本ハム戦はBS日テレで放送されています。ただ、日テレの中で巨人戦に対する優先順位が落ちていることは間違いないでしょう」

 地上波中継こそほぼなくなったが、無料で観られるBS日テレでは巨人の公式戦主催ゲームが今年も毎試合放送される予定だ。

「それで十分だという声もありますが、BS普及率はまだ75%程度とされています。全国津々浦々に行き届いているわけではない。地上波では年に数えるほどしか放送されないため、巨人から離れたオールドファンもいるでしょう。でも今後、地上波での中継が増えるとは考えにくい。現在、巨人は全国区の人気があるチームとは言い難くなっているかもしれません」