無償の愛とは何か考えたり、父親になる自分を想像したり。古川雄輝、31歳の結婚観
今から遡ること6年前、ドラマ『イタズラなKiss〜Love in TOKYO』で入江直樹を演じると、ドSツンデレキャラにハマる女子が続出。日本はもとよりアジア各国でのファンも獲得し、知名度と人気を押し上げる作品となった。
古川雄輝。彼が帰国子女であることは、ファンのあいだでは知られている話。
7歳から15歳までをカナダで過ごし、高校から単身でアメリカのニューヨークへ。帰国後、慶應義塾大学理工学部へ入学し、在学中にミスター慶應に選出。大学卒業後に、俳優の道へ進む。
どこか日本人離れした不思議なオーラと、品のよさが漂う31歳だ。
「自分にとって恋愛作品は特別で気合が入る。何歳になってもやり続けたいんです」
同世代の友人たちが次々と結婚し、父親になっていくのを見ているうちに心境にも変化が訪れたという。ここ最近の恋愛・結婚観の変化についても、素直に語ってくれた。
スタイリング/五十嵐 堂寿 ヘアメイク/赤塚修二(メーキャップルーム)
視聴者の方に、僕が演じる役がいちばんいいと思わせたい
- ドラマ『1ページの恋』のオファーが来たときはどう思いましたか?
- すごく気合が入りました。というのも、今まで恋愛作品をけっこう多くやらせていただいてるんです。自分が今までやってきたことを活かせる作品なので、自信をもってできるのかなと思います。
- 今回、星野を演じる際に意識したところはありますか?
- 星野ってすごく自由度の高いキャラクターなんです。無口なイケメン系キャラクターだと自由に動けなかったりするんですけど、星野みたいな役はこっちから芝居をどんどん仕掛けることができる。だから、台本を読んでる段階からわくわくしました。
ドラマを観た人に、「星野がいちばんいい」と思ってもらえたら勝ちなので、さっき言った気合が入ることにつながるんですけど、それだけに作品へのこだわりは激しかったです。 - 具体的に言うと?
- こういう作品って、男性がカッコよくないと女性の視聴者が観てくれないんです。10代の若い子からも、30歳の男がカッコよく見えなきゃいけない。
ビジュアルが大切になってくるので、衣装はカッコよくなきゃダメだとか、星野は絶対にエロくてセクシーに見せたいとか、いろいろ細かく伝えました。普通は衣装部しかいないんですけど、今回はスタイリストもついてくださったんです。
だから衣装にすごくこだわってます。星野が着ている黄色のコートはプラダですし、普段からグッチのタートルネックを着ることに。
イケメンキャラをやるときは、間違いなく衣装部とメイク部の力が大切になってくるので、僕はけっこう自分の意見を伝えるようにしています。恋愛作品に限ってですけど。 - ビジュアルのほかに、星野をカッコよく見せるために意識したことはありますか?
- 星野って、おちゃらけていてちょっと変な人なんだけど、どこか大人の余裕みたいなものがあるんです。普段はふざけたりするんだけど、恋愛モードになると笑顔が消えて急に真剣モードになったり。そこのギャップを見せられるように意識しました。
僕としては……、『花より男子』の花沢 類のイメージだったんですよね。
衣装合わせのときに「星野って花沢 類に近いんじゃないですか?」ってプロデューサーさんに聞いてみたんです。そしたら偶然その方も花沢 類を意識していたそうで。 - そうなんですね!
- ただ……今回、主演の橋本環奈ちゃんをはじめ、ほかのみんなはものすごくリアリティをもってお芝居をしてるんですよ。でも僕のキャラクターだけ、非現実的なセリフが多くて。行動もそう。いきなりチューしちゃうとか(笑)。
リアリティをもたせるのがものすごく難しいので、ちょっと変な人に見せるために、クセをひとつ作りました。 - どんなクセですか?
- 指を差すというクセです。「けっこうひどい男、その名も郁巳くん」みたいなセリフがあるんですけど、漫画っぽいじゃないですか。そういったときにちょっと動作を入れると、おちゃらけて言ってる人みたいになる。で、そのセリフのときだけ指を差すのもおかしいから、作品を通して印象づけられるようにしました。
- そういう動作はご自分で考えられるんですか?
- はい。台本に書かれてないので、監督や環奈ちゃんと相談しながら。「こういう動きをすると少女漫画っぽく見えると思うけど、どうしますか?」とか「こういうことをしたら環奈ちゃんはイヤじゃない?」など、細かく確認しながら進めていきました。
ワイワイやってる輪に入れなくて年の差を感じました(笑)
- ヒロイン役の橋本さんは初共演ですよね?
- はい。撮影したときはまだ19歳でしたが、考え方や振る舞い方が大人だなという印象を受けました。環奈ちゃんと板垣くんは同い年ですけど、ふたりを比べると板垣くんはまだ子どもという感じで、すごく可愛らしかったですね(笑)。
橋本さんご本人はどちらかというとボーイッシュ。でも、モニターに映っているのは美少女のあかりなんです。ということは、お芝居がちゃんとできてるってことですよね。すごくいいなぁと思いました。 - メインキャストのなかで古川さんがいちばん年上ですよね。現場の雰囲気はいかがでしたか?
- やっぱり、みんながワイワイやってるなかにはなかなか入れませんでした。そういうところで年の差を感じました(笑)。
- 橋本さんとは何か話しましたか?
- ケーキを食べるシーンがあって、僕がケーキのクリームだけをちょいちょい盗み食いしてたんですよ。そしたら環奈ちゃんに「甘いもの好きなんですか?」って聞かれて、僕が「お腹空いちゃって」と答えたのが最初の会話だったと思います。
- 甘いものがお好きなんですよね?
- 生クリームが好きなんです、はい。
- その会話をきっかけにして打ち解けていった?
- じつは、環奈ちゃんと2回くらいしか話せなかったんです。だから、ケーキの会話が貴重な会話でした(笑)。
- (笑)。あえてしゃべらないようにしたんですか?
- ハードな撮影で疲れてるのに、10歳も上の人があれこれ話しかけてきたら、気を使わせてしまうかなと思って。だから自分からは話しかけなかったです。
板垣くんはしゃべりたくてしょうがないタイプだから、しゃべりました(笑)。 - 相手によって変えるんですね(笑)。古川さん自身はしゃべりたいほうですか?
- 現場では、プライベートと比べるとあまりしゃべらないほうです。
顔交換しても違和感ゼロ。濱田龍臣と念願の初共演
- 濱田龍臣さんとも初共演でしたが、古川さんは「顔が似てるから今回共演するのが楽しみ」とおっしゃってましたよね。
- 共演したかったっていうより、とにかく会いたくてしょうがなかったんですよ(笑)。彼が「まめピカ」のCMをやってた当時から、「『まめピカ』の人に似てる」ってずっと言われてたので。
僕がドラマに出ているのを見て「この子、大きくなったね」って言われるときは、だいたい濱田くんと勘違いされてるときだから(笑)。今でも間違われます。 - 実際に会ってみていかがでしたか?
- 衣装合わせのときに初めてお会いして、「俺に似てるって言われない?」って聞いたら、「ん〜?」みたいな返答で。僕としては共感してくれるのかと思ってたから、温度差を感じました(笑)。
- スマホアプリを使ってお互いの顔を入れ替えた写真を公開していましたよね。違和感がないと話題になっていました。
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- 顔交換をやって、やっと気づいたって言ってました(笑)。
濱田くんは顔だけじゃなくて、ほかにも似たところを見つけたんです。撮影中に1時間くらい空き時間ができたから、楽屋に戻ってNintendo Switchをやってたんですね。そしたら濱田くんもやってたりとか(笑)。
あと立ち上がるときに「よいしょ」って言うのが口癖なんですけど、濱田くんも「よいしょ」って言うんです。わぁ、ここも俺と似てる!ってちょっと感動しました(笑)。 - 顔だけじゃなかった(笑)。
- だから会えたのはすごくうれしいですけど、濱田くんと共演するなら兄弟役だろうと思ってたら、まさかの恋のライバルという(笑)。次は、兄弟役ができたらいいなと思います。
誰にでも優しくするわけじゃない、大切な人だけ
- 恋愛作品で共演すると、相手の女優さんを好きになってしまう……という話を聞くことがあります。古川さんの場合はいかがですか?
- (即答で)僕は全然ないです。仕事なので。
- 前回のインタビューでも、「役者の仕事は食べていくためにやってる」とおっしゃってましたね。仕事は仕事、と。
- はい、200%お仕事です。今回のドラマで、『イタズラなKiss2〜Love in Tokyo〜』で共演した森矢カンナちゃんと一緒だったんですね。6年ぶりに会って、インした初日からキスシーンだったけど、全然平気でした。
- 古川さん自身は、好きな人ができたら、星野のように積極的にいけそうですか?
- ジャブを打つくらいはするかもしれないけど、手応えがなかったらあきらめます。だから、基本は待ちの姿勢ですね。
- 帰国子女だから恋愛においても積極的なのかと思ってました。異性にも気軽にハグしたりするのかと……。
- それは偏見です!(笑)僕、海外に11年いたけど、ハグしないですよ(笑)。
- 以前、『イタKiss』の琴子役の矢作穂香さんが「古川さんはよく話してくれるし、すごくレディーファースト」とおっしゃっていたので、そういう振る舞いが自然にできる方なのかなと思ったのですが。
- 何かしたかなぁ。ドアを開けてあげたり、荷物を持ってあげたりとか? 覚えてないですけど……穂香ちゃんとはすごく仲がいいから。大切な人や好きな人には気を使います。
でも、誰にでもやるわけじゃないですよ。みんなにやるのはまた話が違うというか、それこそ星野みたいな女慣れしてる人になっちゃう(笑)。
- 恋愛観についてもうかがいたいのですが、森田郁巳は「護るのが純愛。」、乾 大和は「捧げるのが純愛。」、そして星野有利は「偽るのが純愛。」というキャッチコピーがついています。古川さんが考える純愛とは何ですか?
- たぶん、「捧げるのが純愛。」にいちばん近いのかな。
- 無償の愛ということ?
- 自分が所有してるものを、何の見返りも求めず、相手にあげてもいいと思えるかどうかですよね。自分の大事なものを相手に捧げられるのが純愛なのかなと。
「好き」程度だったら、自分が犠牲になってでもその人のために、とは思えないんじゃないですか。それができる相手はすごく限られてくると思います。 - なるほど。では星野は「偽るのが純愛。」というキャッチコピーですが、古川さんは恋人の嘘にはすぐ気がつくほうですか?
- 男は気づかないです。男って単純でバカなんです(笑)。
- もし嘘に気づいたとしたら、相手に言いますか? それとも気づかないフリをしますか?
- 言うかなぁ。
- 女性の場合は、嘘に気づいてもしばらく泳がせるって聞きますが。
- だから女性は怖いんですよね(笑)。男はバカだから気づいたら言うでしょうし、でも9割の男が、女性の嘘に気づかないと思います。
- そもそも恋愛において、嘘はタブーだと思いますか?
- 嘘はある程度必要だと思います。相手を傷つけるような嘘じゃなければ。……そんな嘘ごときで喧嘩してるようじゃ、まだまだ子どもですよ(笑)。
つきあう前に「好きです」って言うのは嘘?
- 過去のインタビューを拝見したところ、好きなタイプの女性について「年齢は関係ないけど、精神年齢は断然高いほうがいい。僕がわりと感情的だったり、短気だったり、心配性だったり、けっこうガキなので」と。
- 怖いですね。自分の発言がすべて残ってるというのは……(笑)。
- 怖いですね(笑)。今も好きな女性のタイプは変わらずですか?
- そうですね。自分が子どもっぽいので、精神的に大人な女性のほうがいいかなと思います。
- どういうところが子どもっぽいんですか?
- 短気なところですね。プライベートで怒ることはほぼないんですけど、仕事に対してだけ、ものすごくまっすぐになってしまうんです。怒らずに解決する方法っていくらでもあるのに、感情的になってしまうところがガキですよね。頭ではわかってるのに、直せないところもガキだなって思います(笑)。
- 心配性というのは?
- 昔からですけど、つねに悪い方向に頭が働くんです。基本的にネガティブなんです。撮影現場に入るときも、しっかり時間をかけてセリフを叩き込んでから行くし。
好きなタイプの話に戻りますけど、いちばん大切なのはいい子かどうかですね。 - いい子?
- 純愛の話と同じなんですけど、自分を犠牲にしてでも相手のために行動できる女性は確実にいい子ですよね。あと親を大切にしてるか、とか。
- 実際につきあってみないと、そういう部分はわからないですね。ということは、ひと目惚れはしないですか?
- 絶対しないです。僕、つきあう前に「好きです」って言うのは嘘だと思うんです。「5割くらい好きです」が正しいですよね(笑)。相手のことを100%わかってない段階の「好きです」は、信ぴょう性がないというか……。つきあってから、その人のことをどんどん好きになっていくんだと思います。
- なるほど。結婚願望はありますか?
- 子どもが好きなので結婚はしたいと思います。でも、結婚に憧れがあるわけではないです。誤解を恐れずに言うと、子どもが欲しいから結婚したいという……。25歳くらいからずっと思ってます。
- そう思うきっかけがあったんでしょうか?
- 身近なところで言うと姉に子どもがいるし、仲のいい友人と新年会とかで集まると、僕以外ほとんど結婚していて子どもがいたりするんです。そういうのがあるからかな。でも、自分がいい父親になれるかどうかはわからないですけどね(笑)。
恋愛作品は僕の原点。何歳になっても出演したい
- 31歳を迎えて、プライベートにも変化が訪れたのかなと思います。お酒も飲まれるそうですが、ひとりでバーに行ったりもするんですか?
- いや、全然。僕は早く家に帰って、ひとりで飲みたいタイプなので(笑)。帰ってすぐ風呂に入って、レモンサワーとか梅酒のロックを飲んで、ほどよく酔っぱらって早く寝たいっていう……。年ですね(笑)。
- 帰ってすぐお風呂に入るって、お風呂が好きなんですか?
- 好きですね。湯船には入浴剤を入れて。夕方の6時くらいにお風呂に入って、そこから深夜1時くらいまで、ひとりでお酒を飲みながら映画を観ることもあります。そういう誰にも邪魔されない時間が幸せですね。
若い子たちのように、朝までオールで飲みに行く、なんてことはしません(笑)。 - 古川さんはご自分のことを冷静に客観的に見ている印象を受けたんですけど、何歳までにこうなっていよう、という人生プランはありますか?
- この仕事を9年くらいやっているんですけど、想定していなかった出来事があまりにも多すぎて。先が読めない職業なんです。芸能界で仕事をやっている以上、人生プランは立てられないと思います。
ただ、この仕事をやめたときのことはよく考えますけど。 - えっ!?
- 一般企業に就職した友だちが、普通に休みを取って旅行へ行ったりしてるのを見ると、うらやましいなと思うときがあります。この職業は、2割は楽しいけど、8割は大変だったりするし。
それに僕らの仕事って求められて成り立つ仕事なので、求められなくなったら別の道を歩まなければならないと思うんです。だから、そういうときにどう生きていくかっていうのは考えますね。たぶん心配性だからだと思うんですけど。 - 古川さんの作品を、これからもたくさん見せていただきたいです……!
- もちろん、僕もまだやりたい役や目標があるからやめないですよ(笑)。
- やりたい役や目標があるという話が出ましたが、ここ最近、求められる役柄が変わってきたりしていますか?
- 大きな変化はないですけど、この作品のように大人のポジションとしての役柄は来るようになったと思います。それはひとつの変化ですよね。今までだったら、板垣くんのポジションの役が多かったんですけど、そうじゃないところが演じられる楽しさもあって、30歳ってすごくいいなと思います。
- どんな役にでも挑戦できる楽しみがありますね。
- そうですね。それと同時に30歳になると、大人だらけの作品のなかで僕がいちばん若手ということも増えてきますし。
- 昨年だと、ドラマ『天 天和通りの快男児』、『60 誤判対策室』がそうでしたね。
- 大先輩たちと共演できてとても刺激的でした。僕の今の年齢は、自分が先輩になったり、後輩になれたり、作品によって両方に行き来できるのがおもしろいなと思います。
- 最後になりましたが、俳優としての今後の目標を教えてください。
- 海外作品に引き続きかかわっていきたいというのがひとつと、自分としては恋愛作品にずっと出続けたいというのがあります。やっぱり、僕がデビューしたきっかけになったのが恋愛ドラマだし、経験も知識も豊富になってきているジャンルなので、今までのスキルを活かすことができるから。30代、40代になっても恋愛作品に出ていたいです。
- 古川雄輝(ふるかわ・ゆうき)
- 1987年12月18日、東京都出身。A型。2011年、映画デビュー。2013年、ドラマ『イタズラなKiss〜Love in TOKYO』(フジテレビ系)が日本と中国で大ヒット。主な出演ドラマは『僕だけがいない街』(Netflix)、『5→9〜私に恋したお坊さん〜』(フジテレビ系)、朝ドラ『べっぴんさん』(NHK)など。主な出演映画は『風の色』(日韓合作)、『脳内ポイズンベリー』、『ライチ☆光クラブ』、『曇天に笑う』など。2019年、「THE 100 MOST HANDSOME FACES2018(世界で最もハンサムな顔)」アジア版にノミネートされる。
出演作品
- ドラマ『1ページの恋』
- 2019年2月18日(月)よる11時
サイン入りポラプレゼント
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— ライブドアニュース (@livedoornews) 2019年2月18日
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インタビューはこちら▼https://t.co/VVxohTBDSL pic.twitter.com/QzTEJvPSc9- 受付期間
- 2019年2月18日(月)12:00〜2月24日(日)12:00
- 当選者確定フロー
- 当選者発表日/2月25日(月)
- 当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、個人情報の安全な受け渡しのため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
- 当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから2月25日(月)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただき2月28日(木)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。
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