名作劇場版アニメとして名高い「ルパン三世 カリオストロの城」(宮崎駿監督)は、日本での公開から40年して「フランスでついに上映が実現」した。

フランス政府留学局・日本支局がツイッターで紹介するなどし、話題となっている。日本国内だけでなく、フランス現地にいる人からも日本語ツイートが寄せられ、「まだ上映されてなかったのか」と驚いたり、「フランス語が似合う」と感心したりする人も。

40年してようやく

フランス政府留学局・日本支局の公式ツイッターは2019年2月7日、

「日本で放映されてから40年、フランスでついに『ルパン三世 カリオストロの城』の上映が実現しました」

と日本語で紹介。さらにフランス留学中の人に、

「ぜひフランス語で様々な名シーンを見てみてください」

と呼びかけた。

フランスメディアなどによると、1月23日から公開が始まっている。フランス語ポスターをみると、タイトルは「(フランス語で)カリオストロの城」とあり、オリジナル版の「ルパン三世」部分は見当たらない。タイトル脇には、宮崎駿監督作品であることが、比較的目立つ大きさで明記されている。フランス語の吹き替え版だ。

ルパン三世は、フランスの作家モーリス・ルブランの作品に登場する怪盗アルセーヌ・ルパンの孫という設定で、フランスとは縁が深い。

「カリオストロの城」は、日本で1979年に公開されて以降も根強い人気を誇る作品として知られる。2018年1月にあった日本テレビ系であった放送では、地上波で16回目となるにもかかわらず、視聴率は11.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と2ケタで、依然として注目度が高いことを証明した。15回目(16年)12.4%、14回目(15年)14.5%と2ケタを連発している。

「フランス語の吹き替え、なんだかカッコイイ」

今回、フランス政府留学局・日本支局のツイッター投稿以前にも、ちらほらと反応があったが、支局の投稿で知った人も多かったようだ。

「まだフランスで上映されてなかったのか...(ルパンの名前の権利関係?)」
「上映されてなかった?単純に驚いた」

と驚く声が多く、中には

「おめでたい限り」

と喜ぶ人も。ルパン三世がフランスと縁が深いとあってか、

「フランス語の吹き替え、なんだかカッコイイ」
「観て思うのは、(略)フランス語が似合う」

という指摘もあった。また、フランスにいる人からは、街なかに張っているフランス語版ポスター写真を添えての上映報告が日本語ツイートであった。

支局ツイッターが紹介したフランスメディア(Le Point)のウェブ版記事などによると、大画面での上映までに40年かかった事情としては、「ルパン」の呼称問題も影響していたようだ。「ルパン」部分を別の名前にして編集したビデオなどは出回っていたという。