今月3日にアメリカ国務省が国民に向けて中国渡航に関する注意喚起を出したばかりだが、このほどカリフォルニア大学でも学生や教職員に向けて注意喚起のメールを配信していることが分かった。『South China Morning Post』『CNN』などが伝えている。

今月7日、米カリフォルニア大学から学生らに中国への渡航に関する注意喚起のメールが配信された。これは昨今、米国人が中国を出国する際に出国禁止措置がとられていることを重く見ての対応とみられる。

そこには「如何なる物にもサインはしてはならない」「強制されない限りパスポートを手放さない」など7項目が書かれていたが、特にメディアの注目を集めたのが5番目の項目で、SNSの使用に関する内容が次のように記されていた。

「5、中国国内ではWhatsAppやWeChatなどのメッセンジャーアプリの使用は合法だが、最近、ロシア国内で米国人がスパイ容疑で逮捕、訴追された件はWhatsAppでのやり取りが引用されたことによるものだ。」

「我々は中国も同様の手段で欧米人旅行者に対して罰金や出国を禁ずる可能性があることを懸念せねばならない。中国渡航時にはこれらのメッセンジャーアプリを使用しないことを推奨する。」

これ以外にも「中国の政治に関する否定的な発言を控え、許可なしに政府施設の写真を撮ることをしない」などといった記載があった。同大学デービス校のスポークスマンであるメリッサ・ルッツ・ブルーイン氏(Melissa Lutz Blouin)によると、「我々教職員や学生が旅行する場所に関する米公式サイトの渡航情報や健康勧告などのリンクは、常に投稿するようになっている」とのことだ。

このメールを受け取った同大学の学生でTwitterユーザーの“疯狂科学鱼博士”さんが、このメールのスクリーンショットを「カリフォルニア大学から送られた中国渡航の注意喚起メール」と題して中国語と英語でツイートしたところ、中国語でのコメントが殺到した。

「なんて程度の低い学校だ」「ばかげている」「極端な人種差別だ」「中国を北朝鮮のように見せたいだけだ」といった同大学に対しての批判のコメントが見られた。しかし、中には肯定する意見もあり「最善のアドバイスは中国には行かないことだ」「本当に逮捕されちゃうよ」「絶対に行かないで!」とあった。いずれも中国語である。

ちなみに人権問題に関する情報を発信している国際的なNGO「ヒューマン・ライツ・ウォッチ(Human Rights Watch)」によると、中国ではTwitterがブロックされているものの、何かしらの方法で使用する国民もいるとのことだ。しかし昨年11月上旬から中国当局が一部のTwitterユーザーを拘束または召喚し、アカウントの削除を強制するなど対策を強化しており、中にはアカウントをハッキングされ削除された者もいるようだ。

また米国務省「Travel.State.Gov」は今月3日、中国への渡航注意喚起レベルが4段階のうちレベル2の「一層の注意が必要」にあたると発表している。

画像は『疯狂科学鱼博士 2019年1月7日付Twitter「学校给所有人发的去中国的注意事项」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)