鶏卵の2019年取引が7日、異例の安値でスタートした。JA全農たまごの東京地区のM級価格(加重平均)は1キロ100円で前年の初取引を3割下回り、04年以来の低水準となった。前年から続く生産過剰に加え、年末年始に営業を休業する小売りが多く、「荷動きが滞っている」(東京都内の流通業者)ためだ。今後、スーパーの特売需要などを控えており価格は上向くが、月内は前年を大きく下回って推移する見通しだ。

 同日のM級価格は前年同期(150円)を33%下回った。L級は31%安の100円、S級は52%安の70円といずれも大きく下回った。

 初取引は、年末年始に荷が滞留することから、年末に比べて下がる傾向であることは例年通りの動きだ。ただ、今年は、18年最後の取引価格(M級185円)に比べ下げ幅が46%と前年より10ポイント拡大。流通業者は「例年以上の供給量と、休業するスーパーが多かったことが影響した」と話す。

 安値が続けば、スーパーの特売需要が増え、動きが良くなるが、JA全農たまごの価格に反映されるまでには「1、2週間かかる」(同)という。今後、前年を3割ほど下回った展開が続きそう。2月まで安値が続いた場合、生産調整する国の成鶏更新・空舎延長事業が発動される可能性がある。

 18年度の国内の採卵用ひなの餌付け羽数は前年度を5%上回る。19年の鶏卵生産量は過去最高水準となる見込み。

 財務省の貿易統計によると、18年4〜11月の鳥卵輸入量は2677トン。前年より1割ほど多いことも、国産価格に影響している可能性がある。