「日本ならでは」の風習の1つとして、お正月に各商業施設やメーカーが販売する「福袋」を挙げることができるだろう。人気ブランドの福袋はあっという間に完売してしまうほど人気となっていて、こうした熱狂ぶりは中国をはじめとする国外でも広く知られるようになった。

 中国メディアの今日頭条はこのほど、年末年始の期間中に日本を訪れ、福袋を購入したという中国人の見解として「福袋を開けてみて、非常にがっかりした」と伝えている。確かに福袋は必ずしも自分の欲しいものが入っているとは限らず、ハズレも存在するが、中国人ががっかりしてしまったのはなぜなのだろうか。

 記事によれば、福袋を購入したのは団体旅行で訪日した中国の中年女性だ。日本を訪れたのは今回が初めてだったようで、日本国内で見るもの全てが新鮮に映ったそうだ。初めて訪日した中国人の大多数が抱く感想と同様に、この中国人女性も「日本は非常に清潔」で「街には秩序があった」と感想を述べている。

 そして、新年の初売りが行われているタイミングで商業施設を訪れたという中国人は、物珍しさもあって1ー2万円で売られていた福袋を購入したという。当初は何が入っているのか分からないことが不安で、他の客が購入した福袋の中身を観察していたというが、他の客の福袋に有名スポーツブランドのウェアが入っていたことで「自分も買ってみよう」と決心し、3人の孫のために福袋を3つも購入したそうだ。

 中国帰国後、福袋は孫にプレゼントとして渡されたようだが、孫から「おばあちゃん、なぜ日本に旅行に行ってきて中国製を買ってきたの?」と質問されたという中国人女性。実際に福袋に入っていた製品のタグを見てみると確かに「Made in China」と書かれていたそうで、この中国人は「どおりで安いわけだ。中国製を売りつけるなんて、日本人に騙された」と怒り心頭だったという。

 中国人旅行客は海外を訪れた際に、現地で生産された製品を買いたがる傾向にある。これは中国人が中国製を信頼していないためであり、日本を訪れた場合は「Made in Japan」を欲しがるわけだが、日本国内で流通している製品はどの分野でも大半が中国製であるのが現実だ。福袋を売った店側は悪意を持って中国製を売りつけたわけではない。これは日本人ならば理解できるであろうが、この中国人女性には伝わらなかったようだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)