韓国では、使い終えたトイレットペーパーをためておく“トイレ用ゴミ箱”の設置が習慣化されている。

排水管の狭さや、水に溶けない紙が詰まりの原因となることなどを理由に「トイレットペーパーを便器に捨てるべからず」と、昔から言い伝えられてきたそうだ。

当然、トイレ用ゴミ箱は、悪臭や害虫発生の原因にもなっている。しかも、女子トイレでは汚れた紙がゴミ箱からはみ出ていたり、山のように積まれているところを目の当たりにすることも少なくないという。

外国人観光客の中には、その汚さに驚愕し、嫌悪感を覚える人も少なくないそうだ。

(関連記事:外国人女性の被害続々…“女性観光客にとって危ない国”に落ちた韓国)

「見知らぬ男性が、私が入った個室の前に…」

それにしても、韓国の公衆トイレは、日本に比べて劣悪な環境としか言いようがない。

駅ビルなどでは、いまだに男女共用の公衆トイレが多いため、さまざまな事件が発生しているのだ。

ネットでは、「男女共用トイレで痴漢された」「見知らぬ男性が、私が入った個室の前にじっと立っていてゾッとした」といった女性たちの書き込みが、しばしば見受けられる。

2016年に韓国を騒がせた「江南通り魔殺人事件」が起きたのも、駅の近くにある商店街の男女共用トイレだった。

当時、犯人は、付近で被害者女性がトイレに入るのを待っていたという。男女共用だったため、男性が女性の後をついて入っても、不審に思う者は誰もいなかったのだ。

この事件を受け、韓国では女性を中心に「男女のトイレを分離せよ」との声が高まった。

世界的にはLGBTに配慮した“トイレ共用化”が話題になったりもする現在、韓国では“男女トイレ分離”が進められている。

韓国政府は2019年、民間の建物452棟にある男女共用トイレの分離の支援費用として22億6000万ウォン(約2億2600万円)を投入するという。

小型の隠しカメラがあるのが“常態化”

女性たちが公衆トイレを避ける理由は、ほかにもある。盗撮だ。

韓国は今や“盗撮共和国”ともいわれるほど盗撮がまん延しているが、特に公衆トイレでの被害は、無数に発生している。

肉眼では発見不可能なほど精巧に作られたネジ型のカメラがドアや壁に埋め込まれていたり、ゴミ箱にカメラが隠されていたりなど、トイレの隅々に小型の隠しカメラがあるのが“常態化”しているそうだ。

隠しカメラ探知用のアプリや探知機などが女性たちを中心に人気を集めていて、男女問わず「(公衆トイレは)気持ち悪くて利用しない」という声も聞こえる。

公衆トイレで盗撮が絶えない理由

韓国の公衆トイレで盗撮が絶えないのはなぜか。

韓国の下水道の専門家である光云(クァンウン)大学・環境工学科のイ・ジャンフン教授は2018年11月、韓国メディア『アジア経済』の取材に対し、こう語っている。

「最も大きな原因は、トイレが男女共用であること。生活施設や小さな商店街のような場所でトイレの男女が分けられていないことが問題だ。

改善するためには子供の頃から習慣を付けさせることがいいだろう。保育園や幼稚園、小学校でも、奇数階のトイレは女性、偶数層は男性と分けて使わせれば、人々の意識が変わり問題解決に役立つのではないかと思う」

改善策は考えられているが、まだまだ衛生や安全に対する不安が残る韓国の公衆トイレ。

もし韓国を訪れた場合は、公衆トイレを避けて、なるべくホテルで済ませたほうがよさそうだ。

(文=S-KOREA編集部)