吉野家(東京都中央区)は、全国の吉野家店舗でスマートフォン向け決済サービス「Origami Pay」を導入すると発表した。12月3 日10時より導入する予定だ。

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 スタート記念キャンペーンとして、「Origami Pay」を使った300円以上の決済で190円引きとなるサービスを展開、例えば牛丼並盛380円の場合であれば、半額の190円となる。キャンペーン期間は、12月17日0時から12月31 日23時59分まで。キャンペーン終了後も「Origami Pay」の利用で決済代金の2%が割り引かれるという。

 これまでに交通系電子マネーは導入済みだが、スマホ決済サービスの導入は同社では初めて。同じく12月3日には電子マネー「吉野家プリカ」も発売する。こうした取り組みにより、決済手段の多様化とキャッシュレス化を加速させる方針だ。

 同社がキャッシュレスを加速させる背景には、会計におけるレジ業務の簡素化にある。飲食店では小規模店舗を中心に「現金お断り」とする例もでてきているが、同社はこうしたキャッシュレスの動きに追随する。大規模チェーン店の決済手段の多様化は、キャッシュレス決済の促進に一役買いそうだ。

 同社が導入する「Origami Pay」は、Origami(東京都港区)が提供するスマートフォン向け決済サービス。「お金、決済、商いの未来を創造する」とのミッションのもとキャッシュレス市場でOrigamiの存在感は大きい。

 「Origami Pay」の使い方は簡単だ。スマホに表示されたQRコードを提示するだけ。セキュリティ対策も万全で安全性も高い。まさにスマホを財布代わりに使える便利なサービスとあって加盟店は増加傾向で、すでに10万店舗を超えている。

 日本では、キャッシュレス決済で世界の遅れをとっているといわれる。しかし、キャッシュレス決済は利用者とお店の双方に高い利便性をもたらす。吉野家のスマートフォン向け決済サービス導入は、近い将来に実現されるであろうキャッシュレス社会実現の後押しとなる。