1次リーグ敗退の錦織、いらだち募らせるシーンにBBCも注目

 男子テニスのツアー最終戦「Nitto ATPファイナルズ」(英ロンドン)の1次リーグ第3戦で世界ランク9位の錦織圭(日清食品)は15日、同8位のドミニク・ティエム(オーストリア)に1-6、4-6のストレートで敗れ、1次リーグ敗退が決まった。初戦で同3位のロジャー・フェデラー(スイス)を下し、準決勝進出に圧倒的に有利だったはずの錦織の苛立ちを、英公共放送BBCでは「普段温和な29歳がラケットを破壊」と報道。ATP公式中継サイト「テニスTV」公式ツイッターもラケットを叩きつけるシーンを動画で公開している。

 イライラが爆発した。ティエムを相手に第1セットを1-6で落とした錦織は、思わずラケットをコートに叩きつけた。自らへの怒りが収まらなかった。2度目ははね返ってきたラケットが顔面付近に。気持ちを落ち着けようと必死だった。

 フェデラーを初戦で倒した錦織。4強進出に視界良好に見えたが、ケビン・アンダーソン(南アフリカ)戦で屈辱的な惨敗を喫すると、この日もティエム相手にいいところがなかった。サービスに苦しみ、アンフォーストエラーも乱発。ストレートで敗れ、フェデラーとアンダーソンの一戦を待たずに敗退が決まった。

 BBCは「ニシコリが華々しい船出の後に敗退」とレポート。「ティエムと異なり、ニシコリはアンダーソンとフェデラー戦の結果と関係なしに準決勝進出のチャンスを失ってしまった。フェデラー相手に衝撃の7-6、6-3での勝利で開幕後、世界9位はいつもの実力を見せることができなかった」

錦織のらしくない振る舞いに「彼の抱えるトラブルの兆候は表出」

 特集では、フェデラー勝利で世界に衝撃を与えた錦織が、その後に失速したことに注目。アンダーソン戦とティエム戦で計42度のアンフォーストエラーの山を築いたデータも紹介している。

 そして、日本のエースはコート上でのらしくない素振りにも注目している。

「普段温和な29歳はブレークポイントを一度も手にできなかった第2セットの最中に、ラケットをコートに叩きつけた。その時に、彼の抱えているトラブルの兆候は表出していた」

 精彩を欠いた第1セットを落とした後、さらには終了の瞬間にも投げてしまった。穏やかな性格で有名な錦織だが、ショットが決まらない苛立ちからラケットを叩きつける姿が不振を象徴するシーンとして注目されていた。(THE ANSWER編集部)