カナダのスタートアップ企業Northが、普通のメガネのように見えるスマートグラス「Focals」を発表しました。999ドル(約11万3000円)で12月に発売されます。

Northは旧社名Thalmic Labsで、腕に装着し筋電位を計測することで各種操作を可能とする「Myo」を販売していた企業です。

そのNorthが開発したFocalsは、一見すると普通のメガネのように見えますが、左右のツルの付け根が太くなっており、右側にはプロジェクターが内蔵されています。このプロジェクターから照射した映像をレンズで反射させ、視界に入れる仕組みです。公式サイトに直接の記述はありませんが、The Vergeなどはインテルが開発していたVauntと同様に網膜投影方式を採用していると説明しています。そういえば、Focalsの形状や仕組みも、やはりVauntに近い印象です。

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表示する情報は、Bluetoothで接続したスマートフォンから取得。Magic LeapやHoloLensのようなARヘッドセットとは違い、時計やスケジュール、天気、メールなど、簡単な情報の表示を行うものです。

常時表示や、長い時間の連続使用は想定しておらず、カフェやバス停などでのちょっとした空き時間に使うことを意図した設計になっているとのことです。



なお、この手のスマートグラスは、操作のためにツルの部分に触れるものが多いのですが、Focalsでは、Loopと呼ぶ、ジョイスティックとDパッドを備えた指輪型のコントローラを使用します。

頭部で操作が必要だと、会議中や人と話をしているときに操作しづらい問題があり、当然、相手にも操作しているのが分かってしまいます。その点、Loopなら机の下や、ポケットに手を入れたままでも操作が可能です。



また、Focals本体にマイクとスピーカーを備えており、Alexaと連携も可能です。Loopで操作する代わりに「Alexa、天気を見せて」といった具合に操作ができます。

Focalsの価格は999ドル(約11万3000円)。見え方の調整を含むフィッティングが必要なため、購入にはブルックリンあるいはトロントにあるNorthのショールームに出向く必要があります。Focalsは12月に数量限定で販売開始されるとのことです。