アベノミクスの嘘っぱちに国際社会も呆れ返っている。経済状況を調査する定期協議で来日したIMF(国際通貨基金)のラガルド専務理事が、アベノミクスに痛烈なダメ出しを連発した。

 4日の会見では家計所得の伸び悩みなどを挙げて「政策の見直しが必要になる」と切って捨て、2019年10月予定の消費税増税を巡っても「単一税率が最も効果的だ」と言及。増税不満へのガス抜きで導入される軽減税率を否定した。「日本経済は潜在成長率を上回る成長をしており、増税にはベストな状況だ」とクギを刺し、求心力低下で3度目の増税延期をもくろむ安倍首相を牽制したのだ。

 それに先立ってIMFが発表した声明は、さらに踏み込んだ内容だった。基礎的財政収支(PB)黒字化の目標時期を20年度から25年度まで5年間もの先送りを批判。〈財政枠組みは依然としてGDPと生産性の伸びについて比較的楽観的な見通しに依存している〉と指摘し、〈現実的な経済成長予測に基づいた〉中長期的な財政健全化計画を求めた。

 経済評論家の斎藤満氏はこう言う。

「安倍首相は最長でも3年で政権を去る。IMFが懸念しているのは、アベノミクスに振り回されたその後の日本経済です。GDP600兆円を目指す安倍首相は財政出動の口実を探しており、相次ぐ地震や台風などの自然災害に乗じて公共事業のバラマキに出かねない。日銀による国債の大量発行を招き、金利上昇圧力を抑えるために日銀の国債買い入れに拍車が掛かる。異次元緩和の出口はますます遠のいてしまいます」

 安倍首相は総裁選の演説でもアベノミクスの成果をまくし立てていたが、デタラメだ。13年と17年の経済統計を比較すれば、日本経済がチッとも好転していないことはハッキリしている。物価変動を考慮した実質賃金の指数は103.9から100.5に下落し、個人消費は実質ベースで291.6兆円から291.4兆円にダウン。安倍首相は失業率や有効求人倍率の改善を強調し、「250万人の新しい雇用を生みだした」と威張るが、そのうちの211万人は65歳以上の高齢者。年金をアテにできない高齢者が渋々働きに出ているのが実態なのだ。

「IMFは日銀に金融政策のフォワードガイダンスも求め、異次元緩和の出口戦略を促している。欧米との金利差で広がる円キャリー取引の巻き戻しが起きれば、円高不況に転じかねないと警告を突き付けています」(前出の斉藤満氏)

 アベノミクスは道半ばどころか、首の皮一枚の崖っぷちに追い込まれている。