京都府の「きょうと薬物乱用防止行動府民会議」マスコットキャラクターである「NOドラッくん」の容姿がツイッター上で注目を集めている。

一見すると「ゆるキャラ」のように愛らしい姿であるが、頭上をよく見ると注射器や大麻草のような葉やカプセルを乗せている。直接的でわかりやすいものではあるが、何故このような容姿になってしまったのか。

優秀作品も恐ろしい

「NOドラッくん」は、紫の服を着た少年風のキャラクターだ。胸元には「NO DRUGS」のスローガン、額には「きょうと薬物乱用防止」の標語がそれぞれ記される。パッと見は、いかにも優等生然としたゆるキャラである。ところが問題は頭の上だ。そこには、注射器、大麻らしき草、カプセルや錠剤、そしてドクロなど、薬物にちなんだ品々がつけられている――。

誕生したのは今から4年前、2014年11月2日のこと。「きょうと薬物乱用防止行動府民会議」のマスコットキャラクター募集コンクールが行われ、その最優秀作品に輝いた。

「活動をより多くの方に知っていただき、薬物乱用防止に取り組む機運を更に醸成するため」との主旨で募集が行われ、147作品が集まったという。作品は投票によって選ばれ、毎年10月上旬に行われている京都学生祭典で大学生や京都府民から票を集めた。

学生や府民の支持を集めて選ばれた栄えある作品であるが、ツイッター上では18年9月10日ごろから突如掘り返され、

「京都の薬物防止活動のマスコットキャラ、すごい物騒な容姿してるな」
「すでにヤク漬けという全く新しいスタイル」
「NOドラッくんという名前にも関わらず頭にそれらを装備する悪役の鏡」

などとツッコミが寄せられる自体になった。この騒ぎは同じコンクールの優秀作品に飛び火した。

「警告恐竜ヤクダメドス」と名付けられたキャラクターであるが、ドラキュラを彷彿とさせる服装をしており、頭はひび割れた恐竜の骨になっている。更に歯がすべて注射器、手にも薬物を握っており、マスコットキャラクターというよりかは脅しの材料のようだ。

こちらの作品にも、

「ヤクダメドスの狂気がすごい」
「怪人のデザインに応用できそう」

といった反応が寄せられたほか、「こっちの方がリアルでよいかも」との声もあった。

実は驚愕の設定があった...!

J-CASTニュース編集部は9月13日、京都府の健康福祉部薬務課に対して取材を行った。

話題にあがった2つのキャラクターの由来などについて聞いた。

NOドラッくんは「薬物乱用を止めたい男の子」という設定があり、名前や首の札の由来については、

「(編注:薬物を)勧められてもNOと断ってほしい」

との願いが込められているという。

一方、強烈な個性を持つ警告恐竜ヤクダメドスについては、

「(編注:薬物で)脳や内臓が破壊されて生きたまま死んだ化石のようにならないために」

との警告のメッセージが込められているという。

NOドラッくんは着ぐるみが作られ、薬物乱用セミナーに登場するほか、イラストが啓発ポスターなどに使われており、活躍している。