敏腕ヘイマン記者が大谷を新人王の推薦理由を列挙

 右肘靱帯に新たな損傷が判明しながら、指名打者として大いなる活躍を続けているエンゼルス大谷翔平投手。規定打席には届かないが、現地13日終了現在、打率.294、19本塁打、54打点と優秀な成績を残している。新人王争いの有力候補に浮上する中、名物コラムニストは大きな反発を呼ぶリスクを覚悟しながらも、「オオタニこそ新人王だ」と再び断言している。

 断固たる決意をにじませたのは、米スポーツ専門メディア「ファンクレッドスポーツ」のジョン・ヘイマン記者だ。かつてはNYの地元紙「ニューズデイ」で記者を務めており、ヤンキースファンの“熱さ”は誰よりも熟知している。その上で、「ヤンキースファン(とその他ファン)が激怒するリスクもあるが、ショウヘイ・オオタニこそ新人王だと私が考える数多くの理由」とツイッターを更新し、自身の記事を紹介した。

 ツイートには米スポーツ専門メディア「ファンクレッドスポーツ」で自ら執筆した記事も紹介していた。

 以前にも「大谷こそ新人王」と猛プッシュしていたヘイマン記者は、“大谷推し”の不屈の魂を見せている。記事では、ヤンキースのアンドゥハーやトーレス、レイズのウェンドルが素晴らしいシーズンを送っているとしながらも、「ショウヘイ・オオタニこそ本当にスペシャルなシーズンを送っている」と指摘。揺るがぬ“大谷推し”のヘイマン記者には「イカれてる」など、ひどいコメントも寄せられたというが、大谷の活躍は「前例のないこと」だとし、その論拠を並べた。

1.今季MLBで1試合2本塁打1盗塁を複数回で達成した唯一の選手

2.シーズン3試合以上登板、15本塁打、8盗塁を達成し、ジミー・ライアンに並ぶ

3.シーズン15本塁打と50イニング登板を達成し、ベーブ・ルースに並ぶ

4.シーズン10本塁打以上、4勝以上は1900年以降ベーブ・ルースと大谷だけ

5.開幕10試合で投手及び野手で先発したのは、1920年のジョー・ブッシュ(レッドソックス)とクラレンス・ミッチェル(ドジャース)以来

6.トミー・ジョン手術を勧められた直後に週間MVPに輝くレアな選手になる

7.OPS+は162、wRC+は164。2つのカテゴリーで彼を上回るのはMVP候補のJ.D.マルティネス、ムーキー・ベッツ、アレックス・ブレグマン、そしてチームメイトのマイク・トラウトの4人だけ
 
8.出塁率.373、長打率.593、OPS.966はア・リーグ新人で最高の成績(規定打席に達すれば)

9.デビューから10先発で63奪三振を達成し、球団記録を更新

10.デビューから6先発のうち2試合で11奪三振以上を記録し、カール・スプーナー(ドジャース)とケリー・ウッド(カブス)に次ぐ3人目

11.スプリットの被打率は.036(55球で2安打)

 さらに記事では、新人王の本命候補アンドゥハーのOPSは.859で大谷を下回っているデータを紹介した上で、「アンドゥハーは野手として成長過程だが、オオタニはダイナミックな投手でもある」と指摘。同時に、ヘイマン記者は2016年シーズンにわずか2か月間の出場で20本塁打と大爆発したヤンキースのゲイリー・サンチェス捕手を新人王に推した経緯を紹介し、自身の主張に「一貫性の欠如はない」と一歩も引く様子を見せなかった。

「オオタニは単に壮観なだけではなく、歴史的な存在だ。私の考えでは、それこそ彼が新人王に相応しい理由だ」と、力強く締めくくったヘイマン記者。はたして、この主張に同意見で大谷に投票する記者は何人いるのだろうか。あるいは、シーズン終了までに大谷はさらなる活躍を見せ、アンチ派をも巻き込んでみせるのだろうか。(Full-Count編集部)