アサヒビール(東京都墨田区)が2018年内をめどに、ドイツの「レーベンブロイ」など海外3ブランドのビールの国内販売を終了することが分かりました。自社ブランドや他の海外銘柄ビールの生産・宣伝に注力するためです。レーベンブロイは「ビールの都」とも呼ばれるミュンヘン生まれの銘酒ですが、日本から姿を消すことになりそうです。

自社ブランドの販売に注力

 アサヒビール広報室によると、年内で販売を終了するのは「レーベンブロイ」のほか、英国のビール「バス ペールエール」とベルギーの発泡酒「ベル・ビュー クリーク」です。在庫がなくなり次第、販売を終了します。アサヒの2017年度のビール系飲料の販売に占める3ブランドのシェアは0.3%程度にとどまっていました。

 アサヒビールは1982年11月、ドイツのレーベンブロイ社とライセンス契約を結び、翌年から販売を開始しました。その後、1988年に「バス ペールエール」、1996年には「ベル・ビュー クリーク」の国内販売を始めました。レーベンブロイ社は現在、ビール業界世界最大手の「アンハイザー・ブッシュ・インベブ」(ベルギー)の傘下に入っています。

 販売終了の理由について広報室は「アサヒグループホールディングスによる(英国にあったビール会社)旧SABミラー社の欧州事業買収後、アサヒグループは多数の欧州系ビールブランドを保有しています。例えばイタリアの『ペローニ』、チェコの『ピルスナーウルケル』、オランダの『グロールシュ』などです。このような環境にある中、当社は自社グループブランドへ注力し、さらに魅力的な商品の構築を実現していきます。このような方針に基づき、3ブランドの販売終了を決定しました」としています。

 なお、3ブランドを取り扱うアンハイザー・ブッシュ・インベブ ジャパン(東京都渋谷区)によると、今後、各ブランドのビールの日本国内での販売は行わない予定とのことです。