公益財団法人介護労働安定センターは8月上旬、2017年度の「介護労働者の就業実態と就業意識調査」を発表した。調査は昨年の10月、介護保険サービス事業を実施する事業所で、介護にかかわる労働者のうちから無作為抽出して実施。2万1250人から回答を得た。

今の仕事(職種)について続けたいかを聞くと、「続けたい」(53.8%)が最多で、次いで「今の仕事以外で、訪問介護員、サービス提供責任者、看護職員、介護職員、生活相談員、介護支援専門員等の介護職を続けたい」(23.6%)だった。そのうち、目指す職種は「訪問介護員」(47.4%)が約半数に上り、次に「介護職員」(13.0%)だった。

3位は「施設の運営方針に不満があったため」

就業形態別に賞与の状況を聞くと、「制度として賞与の仕組みがある」と回答したのは、正規職員が71.5%、非正規職員が38.2%だった。「経営状況によって支払われることもある」は、正規職員で 14.1%、非正規職員で13.5%。「賞与はない」は、正規職員で 11.0%、非正規職員で40.6%だった。

勤務先に関する希望については、「今の勤務先で働き続けたい」(56.9%)が、「介護関係の別の勤務先で働きたい」(7.8%)、「介護・医療・福祉関係以外の別の勤務先で働きたい」(4.1%)を大きく上回った。

前職の介護職を辞めた理由を聞くと、1位が「職場の人間関係に問題があったため」(20%)、2位が「結婚・出産・妊娠・育児のため」(18.3%)、3位が「法人や施設・事業所の理念や運営のあり方に不満があったため」(17.8%)で労働環境や勤務先の運営に対する不満があったことがうかがえる。

家族の介護状況を聞くと、「当面ない」が52.7%で半数を超えた。次いで 「ここ数年のうちに、可能性がある」が31.8%、「現在、介護している」が12.3%だった。将来、仕事と介護の両立については、「わからない」(44.6%)が最多で、以降「続けられないと思う」(26.4%)、「続けることができると思う」(26.1%)だった。

「続けることができると思う」人は、「介護休暇制度を知っている」「突然の残業がない」「日頃から有給がとりやすい」等の勤務先の状況について「あてはまる」と答えた割合が、「続けられない」と思う人に比べ全体的に高かった。