ブラジルの至宝ネイマールが、ついにみずからの言葉で“風潮”に反論した。
 
 ロシア・ワールドカップの準々決勝ベルギー戦でブラジルは1-2の惜敗を喫し、ネイマールにとって2度目の檜舞台は幕を閉じた。悲嘆に暮れたスーパースターは試合後のミックスゾーンをスルーし、その後はブラジルでテレビのインタビュー取材には応じたものの、公の場にはいっさい姿を見せていない。
 
 そんななか、現地7月19日にサンパウロで開催されたイベントに登場。自身が代表を務める財団のチャリティーイベントで、思いの丈を語ったのである。
 
 沈黙を守っている間、巷ではSNSを中心に“ネイマールチャレンジ”が大流行。「ネイマール!」と言われたら倒れ込んで痛がる素振りを見せるリアクションで、世界中に拡散している。実はネイマ―ルはイベント前日に自身のインスタグラムで、子どもたちと“ネイマールチャレンジ”で楽しむ様子を投稿した。まさに自虐ネタだったが、こう考えていたようだ。
 
「ずっとそうやって茶化されているのは見ていたし、あれ自体はひとつのユーモアだと捉えている。昨日も子どもたちとふざけ合っているところを投稿したくらいだしね。まあそれはそれとして、僕のスタイルっていうのは、あくまでドリブルで仕掛けるところにある。対峙する相手にどんどん勝負を挑むんだ。これは昔から変わらないし、いっさいの妥協がない。彼らの前に立って、『おっとごめんよ、ゴールを決めたいからそこを通してくれないかい?』とお願いして通してくれる? そんなわけはないよね。みんな必死で止めにくるよ。反則してでも止めにくる。たいていの場合、僕は彼らより速いし軽やかだからね。で、レフェリーはなにをしてくれるのか。彼らはジャッジするためにいるんじゃないのかい?」

 
 では、痛がりすぎだ、オーバージェスチャーだと揶揄されていることについては?
 
「あのね、分かる? だれが好き好んでタックルに顔を歪めてばかりいる? マジで痛いし、実際に怪我を負わされるんだよ! だいたいゲームのあと、アイシングをして4、5時間はじっとしているくらいさ。まあいろいろと複雑な想いはあるけど、こればかりは経験しないと分かってもらえないのかもしれないな」
 
 常にブラジル代表のエースとして特大の重圧を受けている点については、「そこはさすがにもう慣れたよ。負けたらすべての責任は僕にある、そんな自覚を持って取り組んできたからね。かなり精神的に鍛えられたかもしれない」とクールに答えた。
 
 今夏のレアル・マドリー行きが盛んに噂されてきたが、そのイベントでもパリ・サンジェルマン残留を明言。ワールドカップから続いていたネガティブな空気を一掃しようと、努めて明るく振る舞っていた印象だ。
 
 新シーズンではさらにバージョンアップしたネイマールが見られるか。注目されるところだ。