1試合1試合に、重みを感じるのはW杯ではなくCL。一方のW杯は、お祭り的だ。ある1ヶ国で開催される1ヶ月の短期トーナメントであることも、お祭り的なノリに輪を掛ける。しかし、CLが毎年行われるのに対し、W杯は4年に1度だ。大会に重みがあるのはW杯だ。

 つまり、重みがあるのにお祭り的。いったいW杯における成績は重いのか軽いのか。日本人は重いと考える人が大半だ。そこでベスト8に迫ろうかという成績を残せば、文句なくよくやったという話になる。一方、欧州の人々は、W杯をそこまでのものとは考えていない。運不運について、冷静に考える目を持っている。

 浮かれるな。冷静になれ。チャンピオンズリーグ的な文化は日本にそう語りかけている。もう一度戦ったら、勝てるのか。勝てそうなのか。3度目のベスト16入りを経験した日本に求められるのはこの視点だ。W杯だけがサッカーのカルチャーではない。まさにお祭りの現場にいると改めてそう思う。アジアチャンピオンズリーグが欧州チャンピオンズリーグのレベルに遠く及ばない、悲しさを感じてしまう。問われているのは両者のバランス。それがないと、自身を客観的に見つめることはできにくいのだ。