iPhoneが登場してからのスマートフォンのカタチってだいたいはもう決まっていて、ちょっとワクワクするものが足りません。それより前の時代では変な形の新型端末が発表される度に驚いたりして面白かったのは良い思い出。その当時の先頭を走っていたのはNokiaで、毎回個性的なモデルを発表していました。

中でも1999年の映画「マトリックス」で主人公のネオ(キアヌ・リーブス)が使っていた携帯電話Nokia 8110はカッコ良いギミックが話題になりましたが、今回紹介するのは、そのNokia 8110の復刻版ともいえるモデルです。その名もNokia 8110 4G。

▲このカーブが美しい

今年2月末のMWCで発表され、見た目はもちろん完成度の高さと価格の安さ、それにポップなイエローモデルは「バナナフォン」と呼ばれ最新スマートフォンに負けず話題となりました。それから待つこと4ヶ月。やーっと、入手できました。



自分は仕事の関係で年の半分は中国周辺にいるので、入荷と同時に購入できました。発売直後なので、価格はちょっと高めでして日本円で約1万2000円。落ち着けば1万円くらいになると思います。箱は写真の通りPETボックスの簡易的なもので、まるでBluetoothヘッドセットみたいです。パッケージにはバナナの絵が書かれていて、バナナフォンイメージを前面に押し出しています。



スライディングカバーを閉じていると新しいスマートフォンにも見える未来感。ただのカバーなのに、動く場所があるというのはとても楽しいものです。

手に取ると懐かしいNokia 8110のサイズ感。それもそのはずオリジナルが約141 x 48 x 25mm/152gで、8110 4Gが133.5 x 49.3 x 14.9 mm/117gと近い寸法です。そして最大の特徴であるスライディングカバーを下にスライドすると、ファンクションキーと10キーが登場。もうこれだけで満足ですね。

ちなみに、映画ではスライディングカバーが、スプリングアクションでシャキッと格好良く開きましたが、これは映画用の演出でして実機は手動でした。Nokia 8110 4Gももちろん手動で開閉します。開閉はスムーズで電話応答にも連動しています。

ブラックは質感は高くて意外に良いです。キーパッドはブラックの方が絶対に見やすいです。 背面のカメラ部はイエローだけ白く縁取られています。その訳は?

さて、現代版に生まれ変わったNokia 8100 4Gですが、フィーチャーフォン的とは言え、実は結構高性能です。4Gに対応するため、北米から欧州、アジアの大半の国で使える様になりました。もちろん日本でも。

ですが残念ながら日本の技適マークはないので、自分は海外滞在時に使います。なお、Nokia 8110 4GにはシングルSIMとデュアルSIMモデルがあり、自分が購入したのは中国版でデュアルSIM仕様です。もうひとつのSIMスロットは3Gまでですが、立派にDSDSです。テザリング機能を使えばルータにだってできるよい子です。※2018年7月1日午前11時更新: もう一方のSIMスロットは2Gでした、お詫びして訂正します。



▲中身が白くなっているのに感動。だって、バナナですから! ちなみにブラックは、中もブラックでした。

画面は小ぶりな2.4インチ。解像度320 x 240ピクセルと懐かしさ満点です。当然タッチパネルなんて付いてないから、全部テンキーでプチプチと入力しなきゃいけません。カメラも付いているけれどなんと2Mピクセル!でもCPUはSnapdragon 205のDualcoreでRAMは512MBと意外と高スペックだったりします。

内蔵ストレージは4GBで最大64GBのmicro SDカードが装着できるので普通に使う分には問題ないでしょう。Wi-FiにBluetooth、GPSも搭載しています。

FMラジオまであるのはNOKIAならではです(過去の端末にはラジオが搭載されているものが多かったのです)。



▲充電用USBコネクターは上側に。隣には3.5mmヘッドセットジャック

通話はもちろんネットも普通に使えるので、情報の受け身側と割り切ってしまえれば十分です。オーディオプレイヤーとして使える3.5mmイヤホンジャックだってあるし、Bluetoothイヤホンでも音楽が聴けます。

中国に滞在していると、会社とプライベート、香港と中国大陸用にと最低でも4回線は常にオープンにしておく必要があります。DSDSのスマートフォンを2台持てばいいのでしょうが、1台はiPhoneを使っているのでシングルSIM。溢れた回線はこのNokia 8110 4Gに任せることにしました。端末は小さくて邪魔にならないし、バッテリーも長持ちなので緊急回線としても重宝しそうです。



搭載されているOSはMozillaのソフトウェアプロジェクトをベースにしたKaiOS。最近のエントリーモデルのスマートフォンやフィーチャーフォンに搭載例の多いOSです。まだ新しいOSながら徐々にシェアを増やしています。






メニューはフィーチャーフォンならではのもので、一部提携の終わっているGoogle系ソフトウェアもリストに加わっています。KaiStoreからアプリケーションをダウンロードして追加も可能です。



元々、日本語は一切サポートされていないのですが、中華圏は対応しているため、マルチバイトのフォントの表示は問題ありません。ですので、見るだけなら日本語は完全に表示できたりします。試しにGoogleMapやFacebook、Twitterを開いてみましたが全てのページで日本語で表示されました。他、SMSやカレンダーなどの日本語も問題無く表示されるので、日本語FEPの登場が待たれます。