あくまで保険は資産の一部、保障も最低限でいいーー。保険代理店ファイナンシャル・ジャパンのトップ営業マン高橋進氏(31)の考え方だ。

「何がおすすめ?」と顧客に聞かれることも少なくないが、金融商品としても優秀で自身も加入するソニー生命の「バリアブル ライフ」と、メットライフ生命の「USドル建終身保険 ドルスマート」を答える。

「前者は積立投信に死亡保障がついているような商品で、見込み利率は10%ほどあります。私は年払い20万円を10年払い設定にしています。運用先は世界株式を選んでいますので利率10%はわりと現実的だと思います。なお、死亡保障は400万円です。

『ドルスマート』は、ソニーよりも死亡保障を厚く、7万ドル分(日本円で約750万円)持ちながら資産形成していくタイプで、月額230ドルを10年払いにしています。最低利率が3%あります」(高橋氏・以下同)

 高橋氏は入っていないが、「バリアブル ライフ」と同タイプの商品に東京海上日動あんしん生命の「マーケットリンク」、「ドルスマート」と同タイプにアクサ生命の「ユニット・リンク」、マニュライフ生命の「こだわり外貨終身」があり、これらも優れた商品だ。

「掛け捨て商品では、オリックス生命の医療保険『新キュア』に加入しています。終身払いで月額3000円、一時金は入院日額5000円に手術は外来で5倍、入院で20倍給付されます。

 また、『先進医療特約』をつけていますが、この特約は1回の病気で複数の契約保険から給付金を受け取れますので、複数加入をおすすめします」

 こうしたお得な “裏技” は代理店ならではの提案。しかし、代理店にもいろいろと事情がある。

「保険会社と代理店の間で、件数や金額のノルマがあります。2、3名しかいない小規模の代理店ですと、『この会社の商品を売らなければ』という思惑が生じてしまうんです」

 これまで国内の生保は、「G(義理)・N(人情)・P(プレゼント)」営業だ、などと外資系の保険会社から批判されてきた。しかしむしろ、外資系こそ「GNP」営業をおこなっている、と高橋氏は指摘する。

「飲み会の縁だけで営業をかけ、断わられれば『知人の紹介』を強要します。私はご相談を受ければベストな商品をご案内しますが、加入のお願いはしません。

 個人年金の保険料控除上限額8万円を満たしていなかったり、非喫煙の方が喫煙者と変わらない条件で商品に加入しているなど、土台がおろそかな場合は進言しますが、基本的にはお客様に委ねます。

 それでも日本のトップ3%に入る売り上げ認定資格のMD RTと、さらにその3倍の売り上げ認定資格であるCOTも保持しています」

 いま、我々が生保の営業マンから買うべきなのは、「保険商品」ではなく「信用」なのだ。

たかはしすすむ
新卒で百貨店に勤務後、転職。生保営業のキャリアは5年半。MDRTと、さらにその上のCOTの資格を持つ敏腕

(週刊FLASH 2018年5月22日号)