深刻な乳製品アレルギーを抱える息子のために、父親が何度も注文を確認していたにもかかわらず店員の手違いにより別のピザを手渡され、それを食べた男児はショック症状に陥った。幸いにも男児は一命を取り留めたが、父親は「このような恐怖は他の誰にも味わってほしくない」と環境衛生局に報告したという。英メディア『Mirror』『real fix』『Metro』などが伝えている。

英ウェスト・ヨークシャー州ブラッドフォードのシップリーに住むハッサインさん一家は4月8日、ランカシャー州ブラックプールにある「Pizza Hut(ピザハット)」で息子ザヤーン君(2歳)のためにヴィーガン(完全菜食主義)の子供用マルガリータピザを注文した。

ザヤーン君は重度の乳製品アレルギーを抱えており、父のサジッドさん(33歳)は店側にその旨を伝え、マルガリータを“デイリーフリー(乳製品不使用)”にしてもらうことを4度も確認した。ところが手渡されたピザは、普通のマルガリータでチーズが含まれていたのだ。

「ピザを受け取った時にも、そのピザが間違いなくデイリーフリーのものであるかを再確認しました。間違いないとスタッフに言われたので、私たちは息子に食べさせたのです。」

しかし10分ほどして、ザヤーン君の具合が急変した。ザヤーン君は父や母サミアさん(33歳)の呼びかけにも反応しなくなり、嘔吐を始めた。「ひょっとしてアナフィラキシーショック症状では」と思ったサジッドさんは、すぐにザヤーン君に吸入器と抗ヒスタミン剤を与え、救急車を呼んだ。

「救急車を呼ぶ時にも、息子は激しく嘔吐し続けていました。駆けつけた救急隊員から息子が低酸素状態に陥っていると伝えられ、病院に着いても息子の容態は更に悪化し、蘇生処置を行わなければならなかったほどです。」

両親と姉のアマラちゃん(7歳)に付き添われてブラックプール・ヴィクトリア病院へ搬送されたザヤーン君は、2日間の入院を強いられた。この間の恐怖をサジッドさんはこのように明かしている。

「息子の容態の変化にすぐに対応していなければ、今頃どうなっていたことか。あのような恐怖をもう二度と味わいたくはありません。また、このような状況に誰一人陥って欲しくはない。私たちの息子は幸いにも命が助かりましたが、他の人が息子と同じ目に遭っても助かるかどうかはわからないでしょう。」

サジッドさんはこの件をピザハットの上層部に伝え、環境衛生局にも報告した。人為的ミスにより、誤ってチーズ入りピザを手渡してしまった事実を認めたピザハットのスポークスマンは、「ハッサインさんに起こったことについては、大変申し訳なく思っており、許されるべきことではありません。既に内部調査を終えて、スタッフの手違いで別のピザが手渡されたことが判明しています。調査内容をハッサインさん一家にお伝えし、二度とこのようなことが起こらないよう適切な対応をして参ります」と述べている。

現在のザヤーン君は、100%とまではいかないが順調に回復しているようだ。このニュースを知った人からは「これは怖い。もう絶対にこんなことが起こらないように気を付けてほしい。ザヤーン君が助かって良かった」「なんで深刻なアレルギー症状がある子供をピザハットなんかに連れて行くの。親の責任にも問題あるでしょう」「じゃあ、アレルギー症状の子供はどのレストランにも行けないっていうの? アレルギー対応する店で注文して何度も確認しているんだから親を責めるのはやめなさいよ」「これは全面的に店側の責任だから訴えられても仕方ないな」「誰でもミスはするものだけど、これは絶対に起こってはならないことだろう」「私も経験したことがある。意識不明にはならなかったけど、すごく具合が悪くなった。親も自分もアレルギーのことを確認したのに間違ったピザを渡されたの」「ピザハットってアレルギーの知識があるスタッフが少ない気がする」といった声があがっている。

画像は『Metro 2018年4月12日付「Pizza Hut served wrong pizza to young boy leaving him fighting for life」(Picture: SWNS)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)