近年、日本では大企業による多くの不祥事が話題となったが、3月には年金データの入力を委託した東京都内の情報処理会社が、契約に反して受給者約500万人分のデータ入力を中国・大連の業者に再委託していたことが問題となった。これをうけて中国メディアの今日頭条は29日、たびたび生じる不祥事に「日本企業の神話はどうしたのか」と題する記事を掲載した。

 中国ではこれまで、日本の匠の精神を称賛する風潮があったが、相次ぐ不祥事で「神話は崩れた」と言われている。記事は、日本企業にはもうすでに匠の精神などはなく、この神話自体が間違っていたと主張。日本の製造業においても、その技術が世界トップレベルだというのは中国人の思い込みにすぎず、研究開発で成功したことはなく、日本人が優れていたのは技術移転とパッケージングに過ぎなかったと主張した。

 では、日本の製造業の技術そのものが高くなかったのなら、なぜ世界で日本製品が受け入れられたのだろうか。記事は、日本人が管理に長けていたために問題が気づかれなかっただけと分析。技術が高くなくても、従業員に残業を強いて人件費を削減し、製品を魅力的に見せるのが得意だったこともあり、国内外を問わず消費者はすっかり騙されてしまったのだと論じた。

 さらに記事は日本企業は外国人だけでなく、日本人自身もだましていると主張。実際、日本製と書いてあってもタグを日本でつけているだけで、一部あるいは多くの部分が中国で作られている製品もある。契約に反して中国の下請けで製造しても品質に問題がないため誰も気が付かないほどだと主張、日本製品の神話は思い違いであるとした。

 記事は最後に、中国人のイメージする仕事にまじめで細かな日本人は、もはや存在しないと結んだ。このように結論づけられてしまうのは残念ではあるが、これだけ不祥事が続いてしまえば、日本人のイメージが壊れてしまうのは当然だ。信頼を回復するには、ゼロから時間をかけて取り組むほかないのではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)