「ダイヤモンドルート」――この言葉に、いまいちピンとこない人も少なくないかもしれない。

これは福島県から東京都栃木県茨城県の4都県を結ぶ広域観光ルートのこと。日本ではなじみのない言葉だが、実は外国人の間では高い人気を誇る。


福島県の安達太良山(画像は福島県観光交流課提供)

海外の声「マジで半端ねえ」

百聞は一見にしかず。とりあえず動画を見てもらいたい。

......といった具合に、日本の美しい風景や伝統文化などを映し出す作品であることがわかるだろう。取り組みは2016年からで、動画の配信は17年2月にスタート。好評であったことから、18年1月には「HISTORY」「OUTDOOR」「HEALTH」「NATURE」の4篇と、「DIGEST」の計5篇が投稿されている。日本ならではの美しい映像は見ごたえ十分だ。

福島県観光交流課の小野一浩さんは、18年2月8日のJタウンネット編集部の取材に対し、

「東京〜大阪の『ゴールデンルート』は訪日外国人からも広く人気を集めていますが、なかなか東北まで外国人の足が伸びない、という課題が我々としてはあります」

と語る。「ゴールデンルート」とは、箱根や富士山、京都などをめぐって、東京〜大阪を周遊するルートで、外国人観光客の定番コースとなっている。

それに対して、こちらは、日光東照宮を擁する栃木や、鹿島神宮などがある茨城を経て、まずは会津まつりや相馬野馬追などで知られる福島県まで足を運んでもらうことを目指すという。また、「ダイヤモンドルート」なる名前は、4都県の名所を結びあわせた時にダイヤモンドのような形になることから命名されたという。

この取り組みをする理由には、東北に対する国からの支援金の存在があると小野さんは語る。

「現在、東北6県ではのべ70万人が宿泊をしていますが、2020年までにのべ150万人が宿泊するようにする、という目標があります。支援金をいただいている以上、やはり実績を出さねばなりませんし、今回のPR動画もそういった活動の一環です」

ゆくゆくは東北全体にまで多くの外国人が訪れるようにする取り組みを深化させるとして、現在も『ダイヤモンドルート』周遊のルートで旅行の計画をしてもらえるよう、旅行会社への働きかけを行うなどしているという。

YouTube上では、

「こりゃすげえ!行きてえ!」(以下、編集部訳)
「マジで半端ねえ」
「壮大な日本だ!素晴らしいビデオだね。こんな広告がもっとあればいいのにね」
「綺麗な広告だ」

と、コメント欄は絶賛の嵐だ。

また、「HISTORY」篇では日本刀を振り回すシーンがあることからか、

「刀を持った日本人には気を付けな、かするだけでも大ケガしちまうからな......」

など、動画に絡めたユニークなコメントも飛び交っている。