[12.16 E-1選手権 日本1-4韓国 味スタ]

 格下相手の2試合でアピールに成功していた選手もいたが、日韓戦で台無しになった。16日に行われたEAFF E-1選手権の韓国戦(1-4)後、日本サッカー協会の西野朗技術委員長が取材陣に対応し、「今回のテーマはW杯に向けてプラスアルファを見出すこと。今日(1、2試合目)までは競争に入ってくる選手はいたが、この試合でそう判断できた選手がいたかどうかは正直難しい」と切り捨てた。

「今回は植田、伊東、土居、小林悠はポジションを変えてみたり、いろいろなチャレンジをした。これからはポリバレントで複数ポジションをこなせる選手をラージグループで考えていく必要がある」

  E-1選手権では9選手がA代表デビューを飾り、センターバックが本職のDF植田直通は右サイドバックでデビュー。FW小林悠が中央や右サイドハーフでプレー、MF今野泰幸がボランチ、インサイドハーフ、アンカーの位置でプレーするなど、選手のユーティリティー性を見る試みもあった。W杯本大会に向けて危機感を強める西野技術委員長は「このくらいのレベルで戦ってアクセントが通用することはあってもW杯は全く違う。高いステージで流れを変えられるプレースタイルを持ったは間違いなく必要」と力説した。

 ともに国内組で戦った日韓戦は38年ぶりの4失点で大敗。前半3分にPKで先制してから守備が崩壊し、屈辱的な逆転負けを喫した。「あのまま圧力をかけられたらよかったけど、極端に受けてしまった。(先制から)5分、10分経たないうちにリアクションサッカーに切り替わってしまった」。日韓戦に焦点を当てて調整し、西野技術委員長は逆転優勝を成し遂げたライバルに「韓国は力があるし、ポテンシャルが高い。緩急をつけた戦い方ができるチーム」と敬意を示すと、「いろんな意味で力不足だと感じた」と嘆いた。

(取材・文 佐藤亜希子)

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